交際していた高校教諭の女性殺害、36歳の元同僚の控訴審わずか10分で結審…666回の着信、700万円払っても別れられず「これが終わるために逃げたい、もう、死ぬしかない」承諾で1審判決は求刑の半分
HBCニュース北海道 2023/12/21(木) 10:17配信
去年5月、北海道帯広市で、交際していた高校教諭の女性を殺害したなどの罪に問われた36歳の元同僚の裁判…1審の釧路地裁は女性の承諾があったとして求刑の半分、懲役6年6か月の判決で検察が控訴、21日午前、札幌高裁で控訴審が始まりましたが、わずか10分で即日結審しました。
片桐朱璃(しゅり)被告36歳は、帯広市の高校教諭だった去年5月30日、市内のパチンコ店の駐車場の車内で、北見市の教諭、宮田麻子さん(当時47歳)の首をシートベルトで締めて殺害した上、遺体を雑木林に埋めた殺人と死体遺棄の罪に問われています。
片桐被告と宮田さんは、同年3月までオホーツク地方の高校の同僚で、それぞれ妻、夫、子どもがいましたが、2018年から男と女の交際関係でした。
裁判員裁判だった1審の釧路地裁で、検察は「宮田さんは、自分と一緒に(片桐被告が)死ぬことを前提に承諾したが、被告人は死ぬつもりがないのに、あるように装って殺害した。自己保身のための身勝手な動機に酌量の余地はない」として、殺人罪などで懲役13年を求刑。
これに対し、片桐被告は「やったことについては、間違いありません。ですが、相手の同意があったと認識しています。この人から逃げるために、これが終わるために、逃げたい、死にたい、その一心でした」などと、承諾殺人を主張。
弁護人も、関係解消を拒まれ続けた末に「極限まで追い詰められて『もう、死ぬしかない』と口にした。万策尽き果てたことによる自然な思考や感情。追死を装ったわけではない。被害者の落ち度が大きい」としていました。
7月28日の判決公判で釧路地裁は、犯行の2か月ほど前の4月3日だけで宮田さんから666回の着信、宮田さんの要求に応じた現金700万円の支払いなどを事実として認定。
その上で「被告人において、被害者と死ぬつもりがなかったと認める一方で、被害者は被告人が生き残る可能性をわかっていながら、異を唱えることも抵抗することもなかったため、被告人の死は承諾の前提としない」などとして、被告側の主張する承諾殺人罪を適用し、懲役6年6か月を言い渡していました。
懲役6年6か月は、承諾殺人罪の上限の7年に迫るものの、求刑の懲役13年の半分…この判決を不服とし、検察が控訴。
21日午前、札幌高裁で始まった控訴審で、検察は1審と同様に殺人罪の適用を求めた上で、新たに宮田さんの夫や捜査報告書を作成した警察官の証人尋問などを求めたものの、全て却下され、控訴審は約10分で即日結審しました。
判決は、来年1月11日に言い渡されます。
<これまでに検察と被告・弁護側が明らかにした経緯など>
■検察
・2016年に同僚となった際、すでに片桐被告に妻、宮田さんには夫と2人の子ども
・2018年から交際「妻と離婚する」などとウソをついて、関係継続しながら解消も考える
・2021年、妻との間に子どもが生まれる
・2022年、帯広市の高校に異動、解消に向けて連絡避ける
・頻繁に宮田さんから連絡あり
・5月29日、顧問をしていた野球部の練習場を訪問される
・5月30日、高校に駐車していた車の中が荒らされ、隠していた住所知られる
・自宅前で待ち伏せされ、走行中の車内で妻と別れることを要求される
・関係解消も継続も不可能と考え、パチンコ店の駐車場で「もう、死ぬしかない」と伝える
・宮田さんが頷いたので「自分も死ぬのであれば、死ぬ気になった」と認識
・一緒に死ぬつもりがあるかのように装い、殺害することを決意
・後部座席に移動し、お互いの首にシートベルトを二重に巻き付ける
・自分だけゴム手袋はめる
・お互いに引っ張り合うも、およそ10分後、宮田さんだけ窒息死
・遺体を自分の車に移して出勤、授業や野球部の活動こなす
・雑木林に遺体を埋め、宮田さんのスマートフォンや車検証焼いて痕跡隠滅
・アダルトサイト閲覧
■被告・弁護側
・2018年、宮田さんから誘われて交際スタート
・2019年、関係解消望むも拒まれ、ヒステリー、50回を超える着信の日も
・別れるなら「700万円ある」と話した全財産を払えと要求され、まず、300万円払うも関係解消できず
・2022年4月、帯広市の高校に異動、住所は隠す
・4月3日だけで666回の着信、高校職員への電話も
・「押しかけられるのが嫌なら、金を払え」と要求され、残りの400万円支払う
・それでも宮田さんの態度変わらず、5月29日、野球部の練習場を訪問される
・仕事があると偽り、高校に車を止めて、タクシーで帰宅
・5月30日、高校に行くと、車内が荒らされていて、ワクチン接種券から隠していた住所知られる
・「あなたの家の前にいる。早く来たほうがいい」と連絡あり、自宅へ
・宮田さんの車の中で「(妻と)別れないなら、赤ちゃんと奥さんを殺す」と言われる
・「もう、死ぬしかない」と伝えると、2回頷いたので、同意があったと認識して殺害
・宮田さんを殺害後、自殺しようとしなかったのは「家族を思い浮かべ、一緒に暮らしたいと思ってしまったから」