東海大福岡の高2自殺、遺族が損害賠償提訴…剣道部の上級生4人に「罪を認め償ってほしい」
読売新聞オンライン 2024/3/14(木) 11:33配信
東海大付属福岡高(福岡県宗像市)の剣道部に所属していた男子生徒(当時2年)が2021年に自殺した問題で、生徒の母親(50歳代)が13日、生徒をいじめて精神的苦痛を与えたとして、当時の同部の上級生4人に損害賠償を求める訴訟を福岡地裁に起こしたと明らかにした。提訴は男子生徒の命日である3月10日付。請求額は明らかにしていない。
訴状などによると、男子生徒は「侑大(ゆうだい)」さん。侑大さんは入学直後の19年4〜6月、部室内で上級生からわいせつな行為を受けたり、その様子を撮影した動画をSNSに投稿されたりするなど、少なくとも12件のいじめ行為を受け、21年3月に自殺した。部内でいじめを受けていたことなどを記した遺書があった。
訴状では「尊厳を著しく奪うもの。自死に至らしめるほど強い精神的苦痛を与えた」と主張している。
母親は13日、福岡市内で記者会見し、加害者とされる生徒4人のうち3人から弁護士に謝罪文が届いたと明かしたが、「反省しているようには思えない」と述べた。そのうえで、「いじめ行為がなければ、高校生活を最後まで送れていたと思う。犯した罪を認め、償ってほしい」と話した。
この問題では、同校が昨年12月に福岡県に提出した第三者委員会の報告書で、上級生による生徒へのいじめを認定した一方、自殺の直接的な原因は特定できないと結論づけた。遺族は県に再調査を求め、県は今年2月、いじめ防止対策推進法に基づき再調査を行うと決めた。