兵庫県立大 元職員の女性、研究費600万円を着服 刑事告発の方針
神戸新聞NEXT 2024/8/28(水) 19:30配信
兵庫県立大は28日、神戸商科キャンパス(神戸市西区)に勤務していた元職員の女性(58)が2019年〜23年、日本学術振興会から助成された科学研究費(科研費)約600万円を着服していたと発表した。元職員は一部を返金しているが、業務上横領容疑などで神戸西署に刑事告発する方針。
科研費は、文部科学省と同会が独創的な研究をする学者らに配分する。元職員は経理担当で、海外研究者を招いた際の旅費を水増ししたり、研究に携わった学生に謝礼として図書カードを渡したりしたように装って関係書類を偽造。これらの経費を科研費の口座から出金して着服したり、家族名義の銀行口座に振り込んだりしていた。
元職員は23年10月末まで5年契約で勤務。退職後の同12月、図書カードの納品業者から未払いの連絡があり、経緯を調べる中で不正が発覚した。県立大の調査に元職員は「お金に困っていた」という趣旨の説明をしたという。
県立大は日本学術振興会に不正分の返還手続きを進める。また、元職員の上司に当たる当時の総務課長の男性2人を戒告の懲戒処分とした。(鈴木雅之)