<大阪・高2自殺>教諭「体罰8〜10回」…遺族と食い違い

<大阪・高2自殺>教諭「体罰8〜10回」…遺族と食い違い
毎日新聞 2013年1月11日(金)2時32分配信

 大阪市立桜宮(さくらのみや)高校(同市都島区)2年の男子生徒(17)が、所属するバスケットボール部顧問の男性教諭(47)から体罰を受けた翌日に自殺した問題で、この日の体罰について顧問が市教委に、生徒の頬と頭を計8〜10回たたいた、と説明していることが分かった。生徒の両親は「30〜40回と息子から聞いた」と証言し、大きく食い違っている。しかし、市教委や高校は当初の会見で「数回」などと過少に説明しており、対応のずさんさが明らかになった。市教委は顧問から再聴取する。【原田啓之】

 市教委によると、自殺5日後の先月28日に顧問から状況を聞いた。顧問は、同18日の練習試合では「平手で生徒の頬を2、3回たたき、側頭部もたたいた」と、同22日の練習試合では「頬を4、5回平手で、頭を4、5回指先でたたいた」と説明したという。

 これに対し、生徒の両親は取材に対し、「18日は10回くらい殴られたと本人から聞いた。22日は30〜40回と言っている」と証言。18日に生徒が帰宅した際、口の周りに血がついており、23日に自殺した際も頬が腫れ、口が切れていたという。

 しかし、市教委や佐藤芳弘校長は今月8日の会見で「顔を数回たたかれた」「指先が当たる感じ」と体罰が軽微だったかのような説明に終始。生徒の両親から「30〜40回」と指摘されていたのに、会見で説明しなかった。

 また、生徒への体罰の頻度について、顧問は聴取に18、22の両日だけだと話した。しかし市教委は、部員アンケートの結果などから「かなりの頻度だった」とみており、改めて話を聞く。

 聴取の際に顧問は、体罰の理由を「選手の気持ちを発奮させるため」「気合を入れていた」と説明。「周囲の目を考えることもあったが、体罰をふるっているときは考えられなかった」と冷静さを失っていたことも告白した。強豪校の監督として「プレッシャーがあった」「(生徒に)厳しすぎた」と漏らしたという。

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