<給食アレルギー>3カ月前にも発症例 女児死亡の小学校
毎日新聞 2013年1月22日(火)21時36分配信
乳製品にアレルギーのある5年生の女児(11)が昨年12月、誤って出された給食のチーズ入りチヂミを食べた後に死亡した東京都調布市立富士見台小学校で、同年9月にも卵アレルギーのある1年生男児が給食を食べた後に発症し、救急搬送されていたことが同市教委への取材で分かった。
市教委によると、男児は昨年9月27日、給食で出たオムレツを食べた直後にせき込むなどの症状が出て、病院に搬送された。治療を受け、同日中に帰宅したという。
男児は昨年の2学期から同小に転入。当初は弁当を持参していたが、保護者と学校側が献立を事前に打ち合わせることにして、9月中旬から給食に切り替えた。卵だけで作るオムレツのようなメニューの日は、代わりのおかずを持参することで合意していた。
しかし、この日の調理員が男児のトレーにオムレツを盛って配膳。さらに、オムレツがアルミホイルで包まれていたため、男児のアレルギーを把握していた担任教諭も見落としたとみられる。調理員には栄養士などから男児のアレルギーに関する情報が伝えられていなかった模様だという。
男児の事故を受け、同校はアレルギーの講習会を開き、全教諭が受講した。だが、12月に女児の死亡事故が起きた。さらに、女児が死亡した経緯を明らかにした今月8日の記者会見で、市教委は男児の事故のことは説明していなかった。市教委は「重篤には至らなかった上、アレルギーを子供のプライバシーと考える保護者もいることから、公表しなかった」と釈明した。【平林由梨】