文理開成高:八洲学園経営継続 受験生確保に不安も 「特待生制度など説明を」 /千葉

文理開成高:八洲学園経営継続 受験生確保に不安も 「特待生制度など説明を」 /千葉
毎日新聞 2013年1月28日(月)11時32分配信

 多額の負債を抱え、実質的な経営破綻に陥っていた鴨川市の文理開成高校は、横浜市に本部を置く学校法人「八洲学園」グループが経営を引き継ぐことで再建の道を歩むことになった。在校生を抱える保護者や、長期にわたって給与の遅配に耐えてきた教職員は胸をなで下ろしている。しかし、経営再建の柱となる新入生確保ができるのかなど、抱える問題も山積している。【中島章隆】
 「文理開成が消滅すると、市内の高校は県立長狭高校1校だけになってしまう。卒業生の針路が限られる事態を回避できて本当に良かった」。昨年まで最も多くの入学者を送り出してきた地元の市立鴨川中学の福田典白校長は八洲学園の救済を歓迎する。
 しかし、1月中旬に予定していた前期入試が中止に追い込まれたことで、新入生の確保が難しくなった。八洲グループの支援が決まり、24日から後期入試の受け付けを開始、2月5日に入学試験を実施する運びになったが、受験生の多くはすでに志望校が決まっており、新たな受験生の掘り起こしに苦労しているのが現状だ。
 同校は6年前、文理開成に校名を改めて以降、「特進・医歯薬コース」を開設。地域の学業やスポーツの優秀な中学生を授業料免除の「特別奨学生」として迎え入れてきたが、今年度は実質的に継続できなくなった。福田校長は「特待生制度を含め、新経営陣がどんな教育方針で臨むのか。早く中学側に説明してほしい」と注文を付ける。
 「目指せ東大・医学部合格」を旗印に英才教育を売り物にしてきた文理開成高。経営母体の変更で、どんな高校に生まれ変わるのか。新経営陣の手腕に、来年以降の受験生とその保護者たちも熱い視線を送っている。
1月28日朝刊

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