内柴被告 判決に怒り…法廷で大声、控訴宣言「僕は無実」
スポニチアネックス 2013年2月2日(土)7時1分配信
泥酔した教え子の大学女子柔道部員に乱暴したとして、準強姦(ごうかん)罪に問われた北京、アテネ両五輪の金メダリスト内柴正人被告(34)に対し、東京地裁は1日、懲役5年の実刑判決を言い渡した。内柴被告は自らの主張を「虚言」などと一蹴され即日控訴した。一方、日本オリンピック委員会(JOC)は、金メダルの返還を求める可能性を示唆した。
体罰問題に揺れる柔道界に追い打ちをかけた。衝撃の逮捕から423日。無罪を「強く確信」していた内柴被告に、求刑通り懲役5年の判決が下った。
閉廷間際、控訴手続きについて説明する鬼沢友直裁判長の声を遮り、「(控訴を)させてもらいます」と叫んだ。顔は真っ赤。今にも突っかかりそうなけんまくに、弁護士が焦って制止するほど。内柴被告は怒りを静めるように、ゆっくりと退廷した。
入廷時は、うっすら笑みさえ浮かべていた。背筋を伸ばして判決を待ち、言い渡されると、うなだれるように力なく椅子に腰掛けた。そのまま5分ほど手で顔を覆い、拝むようなポーズ。弁護団も額に手をあて一様に険しい表情を浮かべた。
鬼沢裁判長は「被告の供述は全く信用できない」「女子部員が酔いつぶれたことを利用した虚言」などと、厳しい表現で非難。準強姦の最大の焦点である、女子部員の昏睡(こんすい)状況について「被害者が自分の意思で行動を起こすことは無理だった」と検察側の主張を認めた。
内柴被告は当初、猫背になり、両肩を落として判決理由を聞いていたが、自らの弁解が一つ一つ一刀両断されていくたびに、上体を起こし、首を回し、椅子に背をもたれ、腕を組んだ。「オリンピック2連覇という輝かしい実績を持ち、今後の柔道界を指導していくことが期待される立場でありながら、被害者の心を踏みにじった」と糾弾されると、不服そうに口をとがらせた。同被告側は即日控訴した。
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JOC、内柴被告のメダル返還示唆 全柔連は“永久追放”へ
スポニチアネックス 2013年2月2日(土)7時1分配信
◇内柴正人被告に懲役5年実刑判決
JOCの市原則之専務理事は1日、内柴被告が04年アテネ、08年北京両五輪で獲得した金メダルについて「検討しないといけない」と述べ、返還を求める可能性を示唆した。同専務理事は「金メダリストが残念だ。しっかりと更生してもらわないといけない」と話した。
柔道は女子日本代表の園田隆二監督が暴力行為などで代表選手らから告発される問題も起きており、全日本柔道連盟(全柔連)に対し、JOCの加盟団体審査委員会で今後の対応を協議するとした。
JOCの福田富昭副会長は「体罰などの問題が相次いでいる。スポーツ界も気持ちを引き締めていかないといけない。五輪招致にとってイメージは悪い」と懸念を示した。
一方、全柔連の上村春樹会長は判決を受け、内柴被告に会員資格の永久停止処分を科す意向を明らかにした。