<大阪・桜宮高>運動部の活動再開 3部の顧問を交代
毎日新聞 2013年2月5日(火)21時5分配信
大阪市立桜宮高校でバスケットボール部の男子生徒が自殺した問題を受け、市教委は5日、全生徒約840人を対象にしたアンケートや聞き取り調査の結果を発表した。14運動部のうち11部の生徒が、部活動中に体罰や暴力・暴言を「受けた」「受けたのを見た」などと回答。男女バスケット、男子バレーボール、サッカーの3部は体罰が常態化していた。市教委は3部の顧問を交代させるなどの措置をとった上で、6日から全運動部の活動を再開させる。
アンケートは先月18日に市の外部監察チームが実施し、教員らにも聞き取り調査した。男女バスケット、サッカー、男子バレーの3部では、教諭からの体罰のほか、他の部員やOBなどから暴力を受けたとの回答が多数あった。市教委は体罰や暴力が常習的にあったと判断し、3部の顧問を務める男性教諭3人を交代させ、近く懲戒処分にする方針。
一方、男子テニスなど8部では、教諭から体罰を「受けた」「受けたのを見た」などの回答があったが、市教委は聞き取り調査の結果、常習性は低いと判断。このうち硬式野球部は「教諭以外から受けた」との回答が多数あったが、昨年9月に発覚した部員同士の暴力事案とみられ、顧問の継続を認めた。
ボート、女子バレー、ソフトテニスの3部は、体罰や暴力を受けた生徒はいなかった。
同校では、先月15日から全運動部が活動停止中。市教委は(1)各運動部への複数の顧問の配置(2)外部指導者の招へい(3)臨床心理士による生徒のケア(4)市教委の指導主事による指導−−を条件に部活動の再開を決めた。顧問には、体罰をしないなどの誓約書を提出させる。
ただ、生徒が自殺したバスケ部は当面、対外試合や練習は自粛し、部活動の在り方を話し合うミーティングを中心にする。
サッカー部員の母親は「子供たちに配慮してくれてよかった」と再開を歓迎する一方、顧問が交代することについて「体罰について何も聞かされておらず、複雑な気持ちだ」と動揺を隠せない様子だった。3年生の女子生徒の母親は「子供たちは活動再開を待ちわびていたので、ほっとした」と話した。【津久井達、原田啓之】