<名古屋市教委>駆け込み退職教員 臨時に再雇用
毎日新聞 2013年2月22日(金)2時31分配信
公務員の退職手当引き下げに伴う「駆け込み退職」問題で、3月末に定年を迎える教員の約3分の1が2月末で早期退職する名古屋市教委が、「穴埋めのめどがたたない」として、こうした教員を3月に臨時で再雇用する方向で調整していることが21日分かった。愛知県教委は早期退職した教員を3月に再雇用しないように市町村教委に通知しているが、名古屋市教委は「背に腹は代えられない」と説明している。【高木香奈】
名古屋市教委によると、3月末に定年退職を迎える市立小中学校・特別支援学校の教員279人のうち91人が2月末で退職する意向。市は代替教員を探したが、穴埋めできるめどは立っていない。このため、21日から、早期退職する教員に現在勤務する学校で臨時教員として働けるか打診を始めた。期間は3月1日から終業式の22日までを想定している。
教員の給与や退職手当などは県と国が分担して負担するが、任命権は市教委にある。県教委の担当者は「早期退職は自己都合によるもので働けない理由があると解釈している。3月の再雇用は想定しておらず、県内自治体で対応に差があると不公平」と話し、今後対応を検討するという。
愛知県の教員の退職手当は3月から約150万円引き下げられる。県教委によると、名古屋市を除いた県内の自治体で、3月末で定年退職を迎える教員1042人のうち早期退職の意向を示しているのは1割の104人。名古屋市以外でも早期退職教員を再雇用する可能性があるという。