県教委、駆け込み退職者再任用で議論 委員長は見直し示唆 静岡
産経新聞 2013年3月8日(金)7時55分配信
県教育委員会の定例会が7日、県庁で開かれ、退職手当削減前に“駆け込み退職”する定年退職者の再任用について議論が噴出。教育委員の中にも「他の公務員と比べ、不公平だ」と見直しを求める意見と、「条例では早期退職者も再任用の対象」と容認する意見があり、結論は次回に持ち越された。
高橋尚子委員長は、再任用制度そのものについて「考え直したい」と見直しを示唆したが、今年度の早期退職者については「制度的に問題ない」と理解を示した。一方、川勝平太知事はこの日の定例会見で「再任用の手続きが甘い。明らかにモラルの低下がある」と、不快感を示している。
県教委は、駆け込み退職する教職235人のうち50人を再任用する予定で、試験や認定作業はすでに昨年中に終えている。
退職手当削減は、県職員と警察職員にも同様に実施されるが、県職員の駆け込み退職者は10人で、警察職員では確認されていない。
県職員局では県職員について、「今回、早期退職者の再任用は認めず、この10人も再任用を希望していない」とする。このため、関係者の間には「県職員に早期退職者が少ないのは、再雇用が認められないから」という指摘もあり、再任用を認める県教委の方針が、駆け込み退職を誘発したとの見方も根強い。