<大阪・桜宮高>元教諭を書類送検 傷害と暴行容疑で

<大阪・桜宮高>元教諭を書類送検 傷害と暴行容疑で
毎日新聞 2013年3月22日(金)17時1分配信

 大阪市立桜宮高校バスケットボール部主将の男子生徒(当時17歳)が顧問から体罰を受けた翌日に自殺した問題で、大阪府警捜査1課は22日、生徒を平手打ちして軽傷を負わせたとして、顧問だった小村基(はじめ)元教諭(47)=懲戒免職=を傷害と暴行の疑いで大阪地検に書類送検した。「指導のつもりだった。申し訳ありません」と供述しているという。府警は絶対的な主従関係の中で暴行が常態化していたと判断しており、起訴を求める「厳重処分」の意見を付けた。

 送検容疑は昨年12月18日、同校体育館で練習試合中に生徒の顔や頭を平手で数発たたいたほか、同22日の練習試合でも顔を十数発たたいて唇を出血させる軽傷を負わせたとしている。生徒は翌23日早朝、自室で首をつって自殺しているのが見つかった。父親が今年1月23日に暴行容疑で告訴していた。

 捜査関係者らによると、小村元教諭は、他の部員にミスがあった場合も含め、主将だった生徒を集中的にたたいていた。生徒は「なぜ、僕だけがシバき回されなければならないのですか?」と記した手紙を残したが、小村元教諭に渡せないまま亡くなった。捜査幹部は「(生徒に)全く非がない状況でも一方的に暴行していた」と指摘している。

 小村元教諭は市の調査に対し「たたくことでチームが強くなったから、(自分の指導方法が)間違っていなかったというおごりがあり、心から反省している」と述べ、常習的な体罰を認めた。府警の取り調べにも同様の説明をした上で、生徒を自殺に追い込んだことを悔やんだという。

 府警は他の部員らから事情聴取するとともに、暴行の様子が撮影されたビデオ映像を分析し、指導を超えた一方的な暴行だったと判断した。暴行と自殺との因果関係については判断しなかったが、暴行の翌日に生徒が命を絶ったという結果の重大性に加え、遺族の処罰感情も考慮し、厳重な処分が必要と結論付けた。【武内彩、三上健太郎】

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桜宮高2自殺 「体罰情報を放置」大阪市監察チーム、歴代2校長の責任指摘
産経新聞 2013年3月22日(金)11時46分配信

 大阪市立桜宮高校のバスケットボール部主将が昨年12月、顧問の男性教諭=懲戒免職=から体罰を受けた後に自殺した問題で、市の外部監察チームが、同校の歴代校長2人と教頭の管理監督責任を指摘する報告書をまとめたことが22日、分かった。チームは2月に元顧問の暴力と自殺との因果関係を認める報告書をまとめたが、今回は体罰情報が事前に寄せられていながら放置したなどとして、管理職の責任を追及している。

 報告書では、2月に更迭された前校長と前任の校長(退職)、現教頭の3人について、バスケ部を含む複数の部活で行われていた暴力や体罰を放置したと指摘。「適切な対処が行われていれば生徒の自殺を防ぐことができた」とし、「管理監督責任は重大」と結論づけた。

 特に、前任校長時代の平成23年9月、市の公益通報制度の窓口にバスケ部の体罰情報が寄せられながら、市教委や校長が元顧問からの聞き取りだけで済ませて「体罰はなかった」と結論づけたことを問題視。前校長については、体罰で停職処分を受けたバレーボール部顧問が再び体罰した際、市教委に報告しなかったことの責任も指摘した。

 市教委は今回の報告書を踏まえ、来週中にも前校長と教頭の処分を決める方針。チームは市教委の責任も調べており、今後、最終報告書をまとめる。

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