舞鶴市の男子生徒不登校 府教委、校長を戒告処分 京都
産経新聞 2013年3月23日(土)7時55分配信
■「いじめ対応不十分」
舞鶴市の中学3年の男子生徒(15)が、小学6年時のいじめが原因で不登校となり、府教委は22日、「対応が不十分だった」として小学校の校長(60)を懲戒処分にあたる戒告処分にした。また舞鶴市教委は同日、男子生徒の小学校時代の担任だった40代の男性教諭を訓告処分とした。いじめの対応をめぐり、教職員が処分されるのは府内では初めて。 (栗井裕美子)
府教委によると、生徒は、同級生らから嫌がらせや暴行を受けるなどのいじめを受け、平成22年3月、小学校卒業式の約10日前から不登校となった。
学校に再び登校できるように支援するため、担任は月1回の家庭訪問を、校長は近況報告などのための電話連絡を保護者から求められ承諾。しかし、校長は22年9月以降、担任は同年7月以降、中断した。
保護者の訴えを受けた市教委から指示を受け、校長も担任も23年5月、家庭訪問や電話相談を再開させたが、男子生徒は1日も登校できないまま今年3月、中学校の卒業式を終えた。
24年5月から市教委が実施した調査では、男子生徒は小学6年だった平成21年9月ごろから、7人前後の同級生らから、トイレ用のブラシを押しつけられたり、消しゴムのかすを給食に入れられたりするなどの嫌がらせを受けていたほか、教室や廊下でたたかれたり、ナイフのようなものを突きつけられるなどしていたことも判明。こうしたいじめの実態を、小学校ではほとんど把握できていなかった。
府教委は、小学校のいじめを把握する態勢が十分ではなく、保護者に約束した復帰支援も中断して放置したことで事態が深刻化したとして校長の管理責任を認定。市教委は、担任についても不作為があったとしている。
校長は同日付で辞職。「責任感の不足と、適切な指導ができなかったことに大きな責任を感じている」と話しているという。
府教委は「不十分な対応でいじめが解決できなかったばかりか、公教育への府民の信頼を落としたのは残念。引き続き対応にあたる」としている。
また、府教委は22日、交通死亡事故を起こしたとして綾部市立小学校の女性教諭(38)と、重傷事故を繰り返したとして、府南部の府立高校の男性教諭(56)を、それぞれ停職1カ月とした。