<樟蔭東学園背任事件>理事と前理事長を背任罪で起訴

<樟蔭東学園背任事件>理事と前理事長を背任罪で起訴
毎日新聞 2013年3月26日(火)19時37分配信

 東大阪市の樟蔭東(しょういんひがし)学園を舞台にした背任事件で、大阪地検特捜部は26日、学園から3億8000万円の融資を無担保で引き出したとして、実質経営者で理事の小山昭夫(81)、前理事長の高橋努(67)の両容疑者を背任罪で起訴した。弁護人によると、小山被告は起訴内容を否認しているという。

 起訴内容によると、2人は2010年3〜4月、返済能力がないと認識しながら、学園から無担保で計3億8000万円を小山被告に融資し、学園に損害を与えたとされる。

 一連の捜査で、小山被告が別の学校法人の寮建設費の融資を金融機関に断られたため、学園から融資を引き出したことが判明した。特捜部は、資金繰りに困った小山被告が学園の金を流用した疑いが強いと判断した。

 学園は11年4月、小山被告に1億円を追加融資し、融資額は計4億8000万円に上った。このうち4億3000万円が焦げ付き、小山被告は11年末、堺市の山林(約17.5ヘクタール)で代物弁済する契約を学園と結んだが、特捜部の家宅捜索を受けて現金で返済した。しかし、小山被告が新たに学園から借り入れた金を返済に充当していたことなどから、特捜部は形だけの返済だったとみている。【内田幸一、堀江拓哉】

東大阪市の学校法人「樟蔭東学園」(高橋努理事長)が顧問の小山昭夫氏(80)に運営資金から計4億8000万円を不適切融資した問題で、小山氏が07年に学園の人事権を得るために使った2億円は、自身が理事長を務め、民事再生法の適用を受け経営再建中だった学校法人「東北文化学園大学」(仙台市)の運営資金を無断流用したものだったことが分かった。関係者は「経営再建中の学校の資金を私的流用するのは許されない」と批判している。

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