無断で桜の枝切る 洛東高勘違い、住民に謝罪
京都新聞 2013年4月2日(火)23時9分配信
京都市山科区の府立洛東高が、隠れた名所となっている安祥寺川沿いの桜並木の枝を無断で切り、住民から批判を受けて謝罪した。宅地化で減る地域の桜を守るために住民団体が昨年に結成されたばかりで、花を楽しみにしていた住民は残念がっている。
川の土手の桜2本の枝が計10カ所ほど切られた。川沿いの道は通学路で桜が並び、切られた木とは別の1本が「区民の誇りの木」にも選ばれている。
同高によると、住民から「日陰になって自宅の松の育ちが悪くなる」と苦情を受け、1月中旬に業者が切った。太い枝を丸ごと切ったため、学校に「なぜ切ったのか」「桜は学校が植えたものではない」と抗議が相次いだ。通学路は校有地だが、土手は府京都土木事務所が管理していた。
一帯は琵琶湖疏水沿いのほか、「桜の馬場」と呼ばれた通りなど桜が多く、住民有志の「桜協議会」が行政に保全を要請していた。今回切られた桜は昭和初期にはあった古木とみられる。毎朝散歩で通る村岡肇さん(78)は「昨年までは川を覆うように咲いていたので残念」と話す。
同高は経緯と謝罪文を書いた看板を設置。「学校関係者が植樹したと思っていた。十分な確認をせず申し訳ない」としている。