「着服の可能性」大阪産業大の元教頭のやらせ受験告発検討

「着服の可能性」大阪産業大の元教頭のやらせ受験告発検討
産経新聞 2013年4月12日(金)14時59分配信

 大阪産業大(大阪府大東市)の「やらせ入試」疑惑をめぐり、本山美彦(よしひこ)学長が12日、問題発覚後初めて記者会見し「お騒がせしたことをおわびする」と謝罪した。疑惑については「現段階では大学側の組織的関与はなかったと思っている」と言及。逆に、やらせ入試疑惑を告発した元教頭について、「謝礼金に入試関連手当を流用した着服の可能性があり、横領罪での告発も検討している」と指摘した。

 元教頭は平成23年9月に「21年度の一般入試で、国からの補助金要件を満たすため、入学意思のない付属高(大阪市城東区)の生徒に経営学部の受験を依頼した」とする内部告発を行っており、大学側は設置した第三者委員会で検証中。5月末をめどに、報告書をまとめるとしている。

 元教頭の告発によると、付属高の生徒約10人に数十回受験を要請したといい、受験した生徒に対し、教員から1回当たり5千円の謝礼を渡したとの情報もある。

 大学側は元教頭がこの謝礼金に本来は入試問題をチェックした教員らに支払われる手当を流用した可能性があると指摘。入試関連手当の使途不明問題として、関係者の事情聴取などを進めたが、元教頭は聞き取り要請を拒否しているといい、横領罪での告発も検討しているという。

 大学法人によると、21年度の経営学部の定員は465人。当時の規定では入学者が1・37倍の637人を超えると補助金が出ないが、20年12月までに推薦入学などで約600人の入学が決まっていた。

 さらに一般入試で入学者が増えて637人を超える可能性があったことから、学力が高く入学意思のない付属高生に受験を依頼した疑いが浮上していた。この日の会見で本山学長は「21年度入試は12月時点で大きく予測が外れた。困ったことだと高校側には伝わっていたが、大学側が付属高生に受験を依頼したことはないと思う」と説明した。

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