<黄柳野高寮火災>当面休校に 校長が涙の謝罪

<黄柳野高寮火災>当面休校に 校長が涙の謝罪
毎日新聞 2013年5月9日(木)12時45分配信

 愛知県新城市の私立黄柳野(つげの)高校の男子寮2棟が全焼し、焼け跡から1人の遺体が見つかった火災で、県警新城署は9日朝から現場検証し、出火原因を調べている。辻田一成校長(64)は同日、記者会見して謝罪するとともに、学校を当面休校することを明らかにした。【清藤天、安達一正】

 全焼したC棟2階に住む2年生の男子生徒(16)=静岡県掛川市出身=の行方が分かっておらず、新城署は遺体はこの生徒とみて身元確認を進めている。同署によると、遺体は損傷が激しく、身元の特定には時間がかかる見通しという。

 また、同校によると、火元はC棟2階北東の角部屋とみられ、不明の生徒は通路を挟んで向かいの部屋に住んでいた。角部屋には別の男子生徒が住んでいた。2階は14部屋に不明の生徒を含む24人が住んでいたという。

 一方、同校は9日の授業を中止。入寮生143人を8日夜から順次、実家に帰宅させている。体育館などで一夜を過ごした生徒は48人で、9日中には全員帰宅させる方針だ。

 9日朝は教職員6人が校門で待機し、午前9時前に新城署と市消防本部の車両などが学校に入った。

 学校で会見した辻田校長は「ひとえに管理不行き届きで、おわびの言葉もありません」と涙ながらに謝罪した。今後、保護者説明会や理事会などを開き、「早急に再開できるよう対応を検討したい」と話した。また、精神的に不安定になった生徒もいるため、教員や臨床心理士が相談にあたるという。

 寮は1994年に完成し、部屋ごとに熱感知器、廊下に煙検知器を設置していたがスプリンクラーはなかった。「万全とは言えないが、それなりに対応している。出火原因が分かれば、さらなる対応を検討したい」とした。

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