伊勢原女性刺傷事件:「攻撃したいと」元夫が供述/神奈川

伊勢原女性刺傷事件:「攻撃したいと」元夫が供述/神奈川
カナロコ by 神奈川新聞 2013年5月25日(土)2時0分配信

 伊勢原市内で21日、30代の女性が刃物で切り付けられて重体となっている事件で、殺人未遂容疑で逮捕された自称塾経営で女性の元夫、貞苅詩門容疑者(32)=埼玉県所沢市=が動機について「(女性に)冷たくあしらわれ、攻撃したいと思った」などと供述していることが24日、県警への取材で分かった。また事件前、女性が住むアパート敷地内に放置されていた不審な自転車について、女性が警察官に「元夫が設置したとしたら心配」と訴えていたことも判明。県警は事件との関連を調べている。

 県警によると、貞苅容疑者と女性は2005年3月に結婚。女性は同年暮れ、母親に「(同容疑者に)暴力を振るわれる」と相談し、県央地区の母親の元に身を寄せた。2人は06年5月に離婚した。

 県警の調べに対し、同容疑者は「離婚の際、(女性が)突然出て行った。おなかの子どものことを話したいと言っても、父なのに冷たくあしらわれた」と説明。また「(息子から)暴力を受けている」と埼玉県警に相談していた実母が事件前日、県外へ避難したことから「母に捨てられたショックでわれを失ってしまった」と供述している。

 県警によると、同容疑者は今月20日夜、所沢市内でレンタカーを借り、翌21日朝に女性の住むアパート近くの駐車場に到着。車内で待ち伏せ、出てきた女性を包丁で背後から切り付けた。同容疑者は「包丁は自宅近くのホームセンターで購入した」と説明。切り付けた後、「現場近くに捨てた」と供述。事件後、「電車に飛び込んで死のうと思った」と話している。県警は24日、同容疑者が運転していたレンタカーを検証するとともに、所沢市の同容疑者の自宅を家宅捜索した。

 また県警によると、女性は4月20日朝、カメラのレンズのようなものが取り付けられていた不審な自転車を発見と伊勢原署に通報した際、「元夫が設置したとしたら心配」と訴えていた。

 同署員も、後部の荷台にくくりつけられた収納ボックスの穴にレンズのようなものがあるのを確認。女性が住むアパートの入り口部分が撮影できる状態だった。女性は「離婚した元夫から嫌がらせを受けていたが、シェルターに避難したのを機になくなった」と説明。一方で「元夫の性格から、手段を選ばず住所などを調べてくるのでは」と不安がっていた。自転車は2日後に同署員が確認すると、なくなっていた。

 アパート所有の男性によると、女性は自転車発見後の今月10日、不動産会社でアパートを6月に退去する手続きを取ったという。

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