(朝鮮日報日本語版) 不正入試疑惑で捜査中の中学校教頭が自殺
朝鮮日報日本語版 2013年6月17日(月)11時19分配信
入学試験をめぐる不正疑惑で検察の捜査を受けていた泳熏国際中学校(ソウル市江北区)の教頭(54)が16日、学校内で首をつって死亡しているのが発見された。
警察によると、この日午後6時50分ごろ、泳熏国際中学校の玄関で、教頭が階段の手すりにひもをかけ、首をつって死んでいるのを、同校の警備員が発見し警察に通報した。教頭は「責任を取るべき人は責任を取るべきだ。ただ学校のためを思ってしたことだが、私の考えは間違っていた。学校を発展させていってほしい」という内容の遺書を残していた、と警察は説明した。
泳熏国際中学校は、昨年行われた今年度の新入生を選ぶ入学試験で、特定の生徒を合格または不合格とするため、志願者の成績を改ざんした疑いがあるとして、検察の捜査を受けていた。死亡した教頭のほか、入学管理部長、教務部長の3人が、成績の改ざんを主導した疑いが持たれていた。
また、同校の事務室長(54)は、編入学をめぐって便宜を図る見返りとして、保護者から数千万ウォン(1000万ウォン=約84万円)を受け取ったとして、先月31日に逮捕された。
ソウル市教育庁(教育委員会に相当)や検察によると、同校は合格させる志願者と、不合格とする志願者をあらかじめ決め、入試の成績を改ざんした疑いが持たれているという。
例えば、入試前の保護者との面談に際し「学校に対し干渉することが予想される」保護者をチェックして、この志願者に対する主観的な書類審査で最も低い点数をつけ、不合格にしたという。検察やソウル市教育庁によると、同校はまた、必ず合格させる意向の志願者については、客観的な成績評価が低くても、教員による推薦書や自己開発計画書など主観的な分野で満点を付けることにより、合格させていたことが分かった。
同校のこのような入試の成績改ざんは、先月にソウル市教育庁が行った監査で摘発され、同庁の告発を受け、検察が本格的な捜査に乗り出していた。死亡した教頭は、成績の改ざんを主導した疑いが浮上し、今月に入り検察に2回出頭して事情聴取を受けていた。
同校の関係者は「検察による捜査が進む中、教頭が『不正入試の主導者』と名指しされたため、精神的に相当なプレッシャーを受けていたとみられる」と語った。ソウル市教育庁の監査に対し、教頭は「不適格な志願者を不合格とするため、成績を改ざんした」という事実を認めたという。
死亡した教頭は2010年半ばに同校に赴任した。検察は「教頭が自殺したため、同時に告発された教員2人のみを対象として捜査を行っていく方針だ」と話した。同校はこの日夜遅く、保護者たちに教頭が自殺したことや、17日と18日は休校とすることを伝えた。