論文多重投稿の岡山大准教授 倫理委審査ないまま研究

論文多重投稿の岡山大准教授 倫理委審査ないまま研究
産経新聞 2013年8月21日(水)7時55分配信

 岡山大の准教授が肝臓手術に関する論文を国内外4誌に多重投稿していた問題で、准教授が必要な倫理委の審査をへないまま研究をしていたことが分かった。同大が20日、記者会見で明らかにした。近く特別調査委を設置する。また、投稿の際、倫理委が承認したとの虚偽申告をしていたことも分かった。

 岡山大によると、大学院医歯薬学総合研究科の40代の男性准教授が肝臓手術を受けた患者のカルテデータを考察する疫学研究で論文を作成。厚生労働省が定める倫理指針では、学内に「疫学研究倫理審査委員会」を設置し研究が承認される必要があるのに、手続きを怠っていたという。

 「倫理委は研究対象になる患者の権利を保護するために必要な審査。研究者としてモラルに著しく反する行為だし、研究そのものが倫理違反だった」と許南浩副学長。

 また、同研究論文を平成24年5月、英専門誌に投稿する際に倫理委審査の有無を問われ、承認されたとの虚偽申告をしていたことも発覚。森田潔学長は「事態を深刻に受け止めてさらに調査していく」と外部有識者も入れた特別調査委員会を設置するとした。

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