一市民が刑事事件の犯人と間違われたとき、「冤罪」が生まれる。あってはならない、究極的な間違いだ。 疑われた人の人生を狂わせる冤罪はなぜ発生してしまうのか。その大きな原因の一つに、「人質司法」がある。不当な長時間の取り調べで、正常な判断力を狂わせ、虚偽自白を誘発するーー許されざる不当な捜査手法といえる。 「冤罪 なぜ人は間違えるのか」の著者、西愛礼弁護士も同著でその問題点を指摘。容疑の否認によって身体拘束が長期化する「人質司法」で苦痛を受けたとして、国に損害賠償を求めている元出版社会長・角川歴彦氏の人質司法の国賠弁護団の一員にも名を連ねている。 今回は、この日本の捜査機関において、冤罪を生む要因の一つとされる「人質司法」の問題点について取り上げる。 ※ この記事は西愛礼氏の書籍『冤罪 なぜ人は間違えるのか』(集英社インターナショナル新書)より一部抜粋・再構成しています。