経営する運送会社の従業員に過労運転させたとして、兵庫県警交通捜査課と西宮署は20日、道交法違反(過労運転下命、容認)の疑いで、神戸市灘区の運送会社社長の男(70)を逮捕した。 逮捕容疑は2024年9月20日未明、同県西宮市大畑町の国道171号で、従業員の男性(73)に十分な休息を与えず、正常な運転ができない恐れがあることを認識していながら、荷物の搬送を指示してトレーラーを運転させた疑い。男は「運転者が過労で、正常に運転できないことを分かっていて搬送を命じていない」などと否認している。 青信号になってもトレーラーが動かなかったため目撃者が110番し、同署が男性から事情を聴いていた。男性は当時、居眠りしていたという。 同署によると、男性は同年9月19日未明~20日未明、24時間乗務していたとみられ、途中、体調不良を男に連絡していたという。同署などが会社の車両の運行日報などを調べたところ、従業員らの実動時間が短く書き換えられるなどしていたという。 運送会社は23年5月、運手者に長時間乗務させるなど8件の違反が認められ、国土交通省近畿運輸局から車両の使用禁止などの行政処分を受けていた。