架空の取引契約を結んで、会社に約1億7700万円の損害を与えたとして、大阪府警捜査2課は27日、会社法違反(特別背任)容疑で、物流大手「鴻池運輸」鹿島支店(茨城県鹿嶋市)の元課長光永将憲(38)=大阪市中央区谷町、元副長渡辺彩(34)=茨城県神栖市平泉=両容疑者を逮捕した。 認否は明らかにしていない。 逮捕容疑は、両容疑者が鹿島支店の社員だった2022年7月~23年10月、取引先4社に架空業務の請求書を計70回提出させ、鴻池運輸に計約1億7700万円の損害を与えた疑い。 同課によると、光永容疑者は工業用資材を加工する業務を担当し、物品購入などに関わる契約と支払いの決定権を持っていた。渡辺容疑者は経理面で補佐しており、同課は光永容疑者が架空取引を主導し、取引先から現金でキックバックを受けていたとみている。 23年11月、大阪国税局の税務調査により不正が発覚し、24年3月、両容疑者は懲戒解雇された。同年4月に公表された鴻池運輸の調査では、架空取引で7社に対し計約4億4800万円の支出が確認されており、府警は捜査を進める。