2024年11月末に愛知県・岐阜県を舞台に開催された世界ラリー選手権(WRC)最終戦ラリージャパンで、競技中のステージに無許可で侵入したとして、岐阜県警察が愛知県東海市の会社員、須田真吾容疑者(42歳)を威力業務妨害の疑いで逮捕した。これに対して、須田容疑者は容疑を否認しているようだ。 この一般車が侵入する事件が発生したのは、競技3日目の朝に恵那のステージで開催されたSS12。黒いバンがスタッフの制止を振り切ってコース上に侵入し、走行を開始しようとするエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(トヨタ)のマシンの前にとどまった。コース外に退去するように促されるもこれに応じず、同ステージを中止にせざるを得なかった。 最終的には地元警察が現場に駆けつけ、当該車両をコース上から排除することになった。ラリージャパン大会実行委員会は岐阜県恵那警察署に被害届を提出し、今回威力業務妨害の疑いで須田容疑者が逮捕された。 容疑者逮捕の報道を受け、ラリージャパンを主催する愛知県豊田市の市長で大会実行委員会の会長を務める太田稔彦氏は、二度と起きてはならないことだと語った。 「本件は誠に遺憾であり、こうした意図的な競技コースへの侵入は、選手の安全やファンの期待を裏切るものであり、二度と起きてはなりません」 「主催者としても、今回の事案を教訓として安全対策を再構築し、選手が安心して競技に集中できる環境の提供に努めていきたいと思います」 なおFIAは一般車侵入事件を受け、「適切な対策を講じなかったために危険な状況が生じた」として、ラリージャパン主催者に5万ユーロ(約800万円)の罰金と、10万ユーロ(約1600万円)の執行猶予付きの罰金を言い渡した。