タイを拠点に、特殊詐欺を繰り返していたとみられる5人の容疑者が5日、日本に強制送還されました。 記者からの「日本で逮捕状が出ているが容疑を認めますか?」「だまし取ったお金は何に使ったのでしょうか?」という問いかけに何も語らず、タイの空港内を歩く5人の容疑者。 日本へ強制送還されているのは、鵜飼孝之容疑者(42)と畠中一容疑者(40)ら5人です。 5人は日本政府の職員をかたり、拠点としているタイのリゾート地・パタヤから日本の高齢者に電話をかけ、医療費の還付金を受け取れるなどと嘘を言って詐欺を繰り返していたとみられています。 その被害額は、1日で多い時には2400万円にも上るということです。 タイから移送中に機内で逮捕された鵜飼容疑者と畠中容疑者は、日本時間午後、成田空港に到着しました。 フードをすっぽりとかぶり、前を見つめながら歩く畠中容疑者。 その後ろをうつむいたまま歩いているのが鵜飼容疑者です。 鵜飼容疑者らがタイ警察に拘束されたのは、1カ月ほど前の2024年12月16日。 タイ警察が鵜飼容疑者らのアジトに踏み込む様子を捉えた映像を見ると、ソファに横になっていた男は、突然の出来事に抵抗することなく拘束されました。 そして、別の部屋では3人がソファに座らされ、拘束されていました。 さらに別の動画には、このグループのメンバーが詐欺の電話をしているとみられる様子が映っていました。 タブレットを見ながら、丁寧な口調で被害者に語りかけています。 タイ警察によると、被害者の数は20万人以上。 中には、約1億円をだまし取られた人もいるということです。 午後5時過ぎには残る3人も羽田空港に到着するとみられ、警察はグループの実態解明を進める方針です。