<残酷道徳授業>「クラスにいなくてもいい人」生徒に挙手させる

<残酷道徳授業>「クラスにいなくてもいい人」生徒に挙手させる
毎日新聞 2000-07-16-00:07

 福岡市東区馬出、市立馬出小(大屋修校長、205人)の3年生のクラス担任の男性教諭(51)が授業中、「クラスにいなくていい人(は誰(だれ)か)」と児童に質問、クラス全員の名前を順番に呼び、児童に挙手させていたことが15日わかった。

 市教委などによると、3年生のクラス(31人)の担任教諭が6月14日、「道徳」の授業で、友達に嫌われた児童の話をテーマにした副読本を読み聞かせた。この後、「主人公と同じように、このクラスにいなくてもいい人」と児童に質問。座席順にクラス全員の名前を順番に呼び、そのたびに手を挙げさせた。

 3人の児童の名前を読み上げた時、児童が手を挙げ、うち1人の男児には約3分の2の児童が手を上げたという。その後、教諭は「そう言っても、いいところもあるだろう」と、この男児の良いところを別の児童に言わせた。「やさしい」などの意見も出たが、男児はかなりショックを受けた様子で、帰宅後も涙を浮かべていたという。

 教諭は授業が終わった直後、この男児がショックを受けた様子を見て謝った。教諭の元には別の保護者から抗議の手紙も来て、6月30日になって男児の母親に謝罪した。

 手紙を出した保護者は7月10日、校長に連絡。校長は初めてこの出来事を知ったという。

 教諭は「互いの気持ちを出し合って、クラスをまとめようと思った。まさか児童が手を挙げるとは思わなかったので、手が挙がった時は驚いた。軽率で誤った指導方法だった」と反省しているという。 【大隈 健】

久野篤子・市教委初等教育課長の話 まったく誤った指導方法だ。深く児童を傷つけ、申し訳ない。今後、厳しく指導する。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする