「大地はやってないよね。早く会いたいです」姉からの手紙朗読も 渡部大地被告(32)家族の証人尋問 男性殺害・遺棄事件の裁判 広島地裁

4年前、広島市で知人の男性を殺害し、遺体を切断・遺棄したとされる男の裁判員裁判で、男の家族が証人として出廷し、男が打ち明けた会話の内容などを明らかにしました。 殺人と死体損壊・遺棄の罪に問われているのは、広島市佐伯区皆賀の渡部大地被告(32)です。 起訴状などによりますと、渡部被告は、祖母の家で知人の植木秀俊さん(当時70)を殺害し、その遺体を切断したほか、遺棄したとされています。これまでの裁判で、渡部被告は、遺体を遺棄したことは認めましたが、殺人や死体損壊については否認していました。26日の裁判では、渡部被告の母親が証人として出廷しました。 母親は、事件について家族で会話したとき、被告は当初「家に2人組の男が入ってきた」という趣旨の話をしていたと証言しました。 それを聞いた母親や姉が 「そんなことあり得るん?」 「本当なん?」 などと強く問い詰めると、2人組が入ってきたという話はうそで「自分がやった」という話に変わったと話しました。 ■被告の姉が抱いた疑問 裁判では被告の姉の供述調書に書かれた内容も紹介されました。 姉は、被告の「自分がやった」という話に、 ▽運転免許を持っていない被告が本当に車を運転して遺体を運べたのか ▽普段料理をしない被告が包丁で遺体を解体できたのか など多くの疑問が残ったということです。 姉は、留置中の被告に対し、手紙を送ったと言います。 逮捕後に接見した弁護士によりますと、被告は姉からの「大地はやっていない」などと書かれた手紙を見せられた際、家族にも本当の話が信用してもらえるものだと思い、「別の見知らぬ男性が犯行に及んだ」と再度供述するに至ったということです。 裁判では、被告が供述を変えるきっかけになったとされる、姉からの手紙が読み上げられました。 手紙には、「大地はやってないよね。大地の姉だから弟のことは一番分かってるつもりよ。大地がやったって決めつけちゃってごめんね。辛くて苦しい想いさせちゃって大地に1人で抱え込ませちゃってごめんね。大地はやってないよね。早く会いたいです。」などと記されていました。

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