宇治女児殺害 元講師、2審は懲役15年 大阪高裁判決 心神耗弱認め減軽
2009年3月24日16時13分配信 産経新聞
京都府宇治市の学習塾で平成17年、小学6年の堀本紗也乃さん=当時(12)=が刺殺された事件で、殺人罪などに問われた元塾アルバイト講師、萩野裕被告(26)の控訴審判決公判が24日、大阪高裁で開かれた。的場純男裁判長は「犯行当時善悪を判断する能力が著しく減退した状態だった」と述べ、責任能力が限定される心神耗弱を認定。懲役18年(求刑無期懲役)とした1審京都地裁判決を破棄、懲役15年を言い渡した。
控訴審は、1審に続き萩野被告の責任能力の評価が最大の争点。19年3月の1審判決は、萩野被告の完全責任能力を認定した上で、発達障害の一種のアスペルガー症候群に罹患し「精神病のような状態だった」と指摘。自首の成立なども考慮し、有期刑を選択した。
判決理由で的場裁判長は、萩野被告が殺傷能力の高い包丁を用意していることなどから、犯行前後の行動も合理的と指摘。「剣を持った被害者の幻視があった」などとする2審での再鑑定結果も踏まえ、「犯行前の半年間の幻覚症状は一過性のものとはいえない」と判断し、「完全責任能力を認めた1審判決は是認できない」と結論づけた。
検察側は1審に続き「完全責任能力があり無期懲役とすべきだ」と主張。弁護側は「心神耗弱」を主張して減軽を求めていた。
判決によると、萩野被告は17年12月10日午前、塾の教室内に出刃包丁2本とかなづちを持ち込み、紗也乃さんの首などを数回切りつけるなどして殺害した。
閉廷後、大阪市内で記者会見した紗也乃さんの父、恒秀さん(46)は「司法に対して絶望した。極めて計画的な殺人を遂行したのに、今回の判決内容に至ったことに強い憤りを感じている。検察には上告をお願いしたい」と怒りをあらわにした。