「歯学論文11本に不正」調査委結論 東北大
2009年4月22日6時12分配信 河北新報
東北大大学院歯学研究科の女性助教(39)らが発表した研究論文16本に日本細菌学会が「不正がある」として告発していた問題で、東北大の調査委員会は21日、「論文11本で不正が確認された」とする調査結果を公表した。助教は不正を全面的に否定している。
論文の不正が指摘されていたのは助教と指導教官の教授2人。調査委は、助教らが口腔(こうくう)免疫に関して2001―08年に発表した論文のデータ画像を検証。論文11本の20項目で細胞の組成を分析したグラフや顕微鏡画像がほぼ一致した。
調査委は「自然界では異なる実験で結果が一致することは起こりにくい」と指摘。一つの実験結果を使い回した捏造(ねつぞう)、改ざんだと結論付けた。
調査委は、助教らに論文の取り下げを勧告。大学は近く懲戒委員会を開き、処分を決める。井上明久総長は「不正は、関連学会への信頼も失墜させ、遺憾に思う。関係者は厳正に処分する」との談話を発表した。
これに対し、助教は「再実験による証明も不要とするなど調査は不公正。懲戒処分を受けた場合、法的手段で潔白を訴える」と話している。
教授の1人も論文を取り下げる意思はないというが、もう1人の教授は不正が認定されれば論文を撤回するとしている。
細菌学会は昨年、若手研究者をたたえる「黒屋奨学賞」を助教に贈ったが、「データ改ざんがみられる」として賞を取り消した。