富山の中学教諭詐欺:他の教員、単価知らず 業者との異例な取引、校長が注意 /富山
2009年6月16日17時2分配信 毎日新聞
◇氷見・教材費水増し容疑で逮捕の中学教、勤務校唯一の技術科担当
◇富山の業者との異例な取引、校長が注意
勤務先の中学校に教材費を水増し請求し、現金をだまし取ったとして現職の富山市立中学校教諭、正水和久容疑者(31)=富山市=らが今月7日、詐欺容疑で逮捕された。事件の背景として、学校会計事務のチェック態勢の甘さを指摘する声もあり、県教委などは再発防止に乗り出した。何が問題だったのか。正水容疑者の周辺で話を聴いた。【岩嶋悟】
正水容疑者は、02年4月に氷見市立北部中に赴任。07年3月まで技術家庭科教諭として勤務した。当時の同僚らによると、パソコンに詳しく、校内でLANケーブルの設置のため、休日も出勤するなど仕事熱心な教諭だったという。
県警捜査2課によると、事件のあった06年、正水容疑者は電気関係の単元の教材を納入する際、水増し工作を行った。赴任前から知り合いだった教材販売業、山崎兵吾容疑者(69)と共謀し、計約59万円分を水増しした請求書を作成したとされる。
北部中では、教材購入費が5000円を超える場合、学年ごとの学級担任でつくる「学年部会」を開き、購入を決めていた。しかし当時、技術科教諭は正水容疑者だけだった。問題の教材の単価を知る教諭は他におらず、請求書の水増しは見過ごされた。当時の校長は「できる限りチェックはしたが、業者と結託していたのは想像の範囲を超えていた」と話す。
一方、氷見市や高岡市の業者から教材を購入するのが慣例だった同校で、富山市の業者である山崎容疑者との取引は異例だった。当時、正水容疑者が山崎容疑者だけから購入していることは他の教諭も把握しており、校長が「他の業者に疑われることのないように」と注意したこともあったという。
事件を受け、氷見市教委は教材購入について▽購入予定額が5万円以上の場合は、複数の業者から見積書をとる▽業者選定は校長が決裁する▽業者との飲食や金品授受は行わないこと−−などを市内の小中学校に通知。県教委も管理職による抜き打ちチェックなど再発防止を求めた。
学校現場からは「教諭の仕事がさらに増える」と懸念の声も聞こえてくるが、ある同僚は「私たちを欺いたことに悔しさを感じる。また当時の生徒と保護者に申し訳ない」と話した。正水容疑者がなぜこのような大胆な行動に走ったのか。県警は動機の解明を進めている。
6月16日朝刊