北井佑季に続きガールズ選手も!ドーピング禍で揺れる競輪界 現役選手が訴える「違反者はまだいる」

競輪界のトップ9人しか所属が許されない「S級S班」のエリート、北井佑季選手(35・神奈川)がドーピングをしていたことが発覚。史上初の「S級S班剥奪」となり、波紋を呼ぶ中、新たな衝撃が競輪界を襲った。 3月25日、競輪を統括するJKAが、ガールズケイリンの野口諭実可(ゆみか)選手(32・大分)から禁止薬物が検出されたと発表。2月の大宮F1の開催中に実施したドーピング検査で陽性反応が出たという。4月から3ヵ月間の斡旋停止となったことも同時に発表された。 「北井の違反が一般発表されたのは2月20日ですが、競輪関係者には2月上旬の段階で伝わっていました。事態を重くみたJKAが直後に行われたレースでドーピング検査を実施したところ、野口選手の違反が発覚しました」(競輪場関係者) 大宮F1に出場していたあるガールズ選手は、レース後にドーピング検査が行われたことをSNSで報告していたが、後に投稿を削除していたことから一部ファンの間で“誰か引っかかったのでは?”と話題になっていた。 「野口選手はデビュー当時、代謝(クビ)候補に挙がるぐらい成績が振るわなかった。ところが、群馬から大分に移籍した後に成績が上昇。トップクラスとはいきませんが、一般戦であれば車券に絡むような安定した実力の持ち主となりました。このレベルの選手にさえドーピングが蔓延しているとすればショックは大きいですね……」(スポーツ紙競輪担当記者) 北井選手のドーピング違反発覚後、2023年のKEIRINグランプリを制した松浦悠士選手(34・広島)はネットケイリンのコラムで、 《命を懸けて、人生を懸けてやっている選手を踏みにじる行為だと思いますし、許せません。毎回KEIRINグランプリでは必ずドーピング検査が行われていますが、まだ今のままの検査体制だと「公正確保」が十分だとは思いません》 と厳しく批判している。 一方、中釜章成選手(28・大阪)は自身のX(旧Twitter)で、ファンの質問に答える形で、 《今回はたまたま北井さんがってだけですからね》 と、他にも怪しい選手がいることを匂わせていた。 ◆急激に成績を落とす選手が現れる 野口選手は3月に入ってから2節連続で「その他欠場」という理由でレースを欠場していた。北井選手もドーピング違反が公表されるまで同じ理由で欠場しており、関係者の間ではドーピング違反になったことは周知の事実だったという。 「落車などケガで欠場する場合は『病気欠』、親族の葬儀などで休む場合などは『家事都合』と、欠場の理由は大まかではありますが明らかにされます。『その他欠場』というのは、レース中にルール違反をした場合や、2021年に強制わいせつの疑いで逮捕されたY選手のように不祥事を起こして斡旋停止処分を下されたケースで主に使用されます。 レース中のルール違反の場合、公式から発表がありますが、発表がないまま3ヵ月以上『その他欠場』が続く場合は、ドーピング違反や不祥事での罰則の可能性が高い」(競輪場スタッフ) JKAは今後しばらく、G2以上のレースでドーピング検査を行うことを決めたという。 「ドーピング疑惑を囁かれている強豪選手はまだ複数いますからね。北井の違反公表後、“筋肉増強外来を行う新宿区内の有名クリニック通いをやめ、わざわざ東海エリアのクリニックに通っている”と噂になっている選手がいますから。 G2以上のグレードレースはほぼ月1回ペースで行われる。検査が必須になるのであれば、ドーピングをやめざるを得ないでしょう。今後、急激に成績を落とす選手が続出するかもしれません」(同・競輪場関係者) トップ選手からは厳しい検査体制の構築を求める声が上がっている。この機会にクリーンな競輪業界になってほしいものだが……。 撮影・文:金宮知希

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