「米アレルギー」でも代替食なし→18キロ減 弁護士会「人権侵害」

米アレルギーを訴えたがパンなどを出してもらえず、主食を食べられなかった――。大阪刑務所に収容されていた60代男性の人権侵害救済の申し立てについて、大阪弁護士会は「生命や身体の健康を害するおそれ」があったと認め、谷口晃康所長に改善の要望書を出したと28日に発表した。 26日付の要望書によると男性は2015年、米を食べ呼吸困難になるアナフィラキシーショックを発症。22年10月に同刑務所に入った後、代替食を繰り返し求めたが、医療機関の診断が必要として認められなかった。アレルギー検査も求めたが実施されなかった。 主食を約8カ月とらず、逮捕時64キロだった体重は23年6月には46キロに減少。その後の血液検査も陽性と認められず、同年11月末の出所まで対応がなかったという。 弁護士会は、警察の留置場や拘置所は、男性の申告だけで代替食としていたことを刑務所が把握していた上、所内ではパンを作っていたと指摘。「パン食への変更が難しい事情もないのに対応を拒み、健康を脅かした」として、柔軟な対応を求めた。 大阪刑務所は取材に、「代替食については総合的に判断している。今回の対応は適正だったと認識している」と答えた。(大滝哲彰)

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