【カイロ=佐藤貴生】中東カタールの政府と契約した企業から金銭を受け取った疑いで、イスラエルの警察当局は3月31日、ネタニヤフ首相の顧問ら2人を逮捕した。ネタニヤフ氏は同日、「政治的迫害」だと捜査を批判する声明を出した。 疑惑はイスラエル国内で「カタールゲート」と呼ばれ、ネタニヤフ氏の関与が注目を集めている。ネタニヤフ氏は、捜査に加わる国内治安機関シンベトのバー長官の解任手続きを進めており、「捜査妨害が目的だ」として抗議デモも起きた。 逮捕されたのはネタニヤフ氏の顧問のウリッヒ、元報道官のフェルドシュタインの両容疑者。イスラエルのメディアによると、2人はカタール政府と契約した企業を通じ、イスラエル国内でカタールのイメージ向上のための活動を行い、金銭を受領した疑いがもたれている。 カタールには、イスラエルがパレスチナ自治区ガザで戦うイスラム原理主義組織ハマスの指導部の拠点がある。エジプトとともにガザでの戦闘終結に向けた協議を仲介してきたカタール政府は疑惑を否定し、協議の妨害を目的とする中傷だと批判している。