指導力不足の教員、5年で28人 県、神戸市教委

指導力不足の教員、5年で28人 県、神戸市教委
2009/11/17 08:55 神戸新聞

 
 指導力不足の教員を認定する制度が始まってから5年間で、兵庫県教委と神戸市教委での認定は計28人に上り、そのうち研修を受けて学校現場に復帰したのは8人(うち1人は復帰の翌年に退職)だったことが分かった。当初は年配の教員が多くを占めたが、現在は若い世代もいるという。

 県教委と神戸市教委は2004年度から指導力に問題がある教員の認定と研修の制度を導入。神戸市教委の場合、校長からの報告を受け、大学教授や弁護士らでつくる指導力向上審査委員会が認定すると、最大2年間の研修が必要となる。

 市教委は04〜08年度、現在研修中の1人を含め12人を認定。40代以上が8人を占めるが、20代も3人いる。研修中に自ら限界を感じたり、勧奨されたりして6人が退職。5人が現場復帰した。

 そのうち、小学教諭だった若手女性は、1人に話しかけられると、ほかの児童が目に入らず、その結果、教室全体が騒ぎ出して学級崩壊に。想定外の質問にも対応できなかったという。1年間、授業の進め方などの研修を受けて復帰したが、結局、1年後に退職した。

 また、小学校のベテラン女性は、子どもの意見を聞かずに授業を一方的に進めたという。研修でも改善されずに退職勧告に従ったという。

 今春、現場復帰した若手の男性教諭は、自信を持てずに声が小さく、授業が成り立たなかったという。研修では、あいさつの練習から始め、子どもに慣れるように授業の訓練を繰り返した。

 同市教委は「採用試験の面接などで注意しているが、大人への対応に問題はなく、面接で子どもへの指導力不足を見抜くのは難しい。採用後の研修の充実も図っていきたい」としている。

 一方、県教委によると、04〜08年度に指導力不足と認定したのは16人。そのうち職場復帰したのは3人で、公民館職員などへの職種変更は3人、退職は10人だった。

(紺野大樹、中島摩子)

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