解雇処分の山口大教授、偽装購入869点に
2010年2月16日 読売新聞
山口大の公的研究費を巡る不正経理問題で、パソコンなどを大量購入していた大学院理工学研究科教授(60歳代)の偽装購入品が計869点に上ることが、文部科学省などへの取材で分かった。支払いには国の科学研究費補助金や委託費も充てられており、同省は返還命令を検討している。
教授については、これまでにノート型パソコンとデジタルカメラの不正購入が明らかになっていた。
同省などによると、不正が行われたのは2004年9月から09年12月。広島市に本社がある光学機器商社1社から、ノート型パソコン171台、デジカメ100台のほか、デジタルビデオカメラ6台、電子辞書2台、シュレッダー、ファクス各1台や、光学機器の付属品や文房具などの消耗品を納品させていた。総額は1億3067万5175円に上った。
しかし、大学側には、実験用の白色発光ダイオード(LED)やハロゲンランプ、プリンター用紙などを購入したように偽った同社の納品書を提出。大学から同社に528回に分けて代金を支出させていた。
購入品の大半が所在不明で、少なくともデジカメ19台(約2000万円相当)が市場に出回っていることが確認されている。
購入には文科省の科学研究費補助金約100万円や、教授が研究統括を務めた同省の「知的クラスター創成事業」(04〜08年度)の委託費約900万円を含む受託研究費や共同研究費約6800万円、企業などからの寄付金約6000万円などが充てられたという。
教授は半導体工学が専門。LEDの開発で高い実績があり、旧通産省などが進めた次世代光源開発の国家プロジェクトなども務めた。
また、医学部長を務めている教授(60歳代)について、04年4月から06年7月に、厚生労働省の科学研究費補助金165万300円を業者1社の元にプールし、研究に使う試薬や食品添加物の購入代金に充てていたことも判明した。
山口大は大学院教授を解雇、医学部長を停職1か月とする懲戒処分を決め、2人に通告している。