県教委:「常識」通知 校長の教職員面談、18項目の質問を例示 /山梨
毎日新聞 2010年10月10日(日)12時35分配信
◇生徒、保護者とメールしてないか/室内で1対1、なっていないか/指導と体罰、はき違えてないか
◇続く不祥事に「異例対応」 効果疑問の声も
相次ぐ教員不祥事問題で、県教委が8月、全公立小中学校長らが全教職員と個人面談するよう各市町村教委などに通知を出していた。毎日新聞が入手した通知には、18項目の質問例が並び、大半が「児童買春、児童ポルノ禁止法を知っていますか」など常識的な内容だった。県教委は「危機感を持った異例の対応」と説明するが、再発防止効果を疑問視する声も上がっている。【中西啓介】
県内では、7月にも、
通知は8月25日付。
「『やってはいけないことはやらない』を基本に面談」などと留意点を記載し、続けて、法律への知識を問う内容の他に次のような質問例が記されていた。
「児童生徒や保護者とメール交換をしていないか」
「児童生徒や保護者と必要以上に個人的な接触を持っていないか」
「児童生徒と閉じた室内で1対1となっていないか」
「飲酒をしたら、車はどうしているか」
「自己抑制力、順法意識を持ち合わせているか」
「毅然(きぜん)とした指導と体罰をはき違えていないか」
県教委によると、面談は既にほぼ全校で終わった。義務教育課は取材に「教員を監視するわけにもいかず、一人一人に服務規律を認識してもらう必要があった」と説明した。
これに対し、山梨県教職員組合の三浦雅彦副執行委員長は「質問例が適切か、再発防止につながるかは疑問だ」と指摘。県教委内部からも「(不祥事をするので)自分からクビにしてくれという教員はいない」との声も聞かれる。
尾木直樹・法政大教授(臨床教育学)も「誰でも知っていることを質問して再発防止になると考えるのは認識不足。管理職による面談は、教育現場に不信感を与えるだけで時間の無駄だ。むしろ、専門家のカウンセリングが必要で、不祥事の背景や教員の心理を科学的に明らかにすることが重要だ」と話した。
10月10日朝刊