プリンスホテルの賠償減額 日教組使用拒否訴訟 東京高裁
産経新聞 2010年11月25日(木)18時23分配信
グランドプリンスホテル新高輪(東京都港区)が日本教職員組合(日教組)の教育研究全国集会の会場使用などを拒否した問題で、日教組や組合員がプリンス側に損害賠償などを求めた訴訟の控訴審判決が25日、東京高裁であった。園尾隆司裁判長はプリンス側に約2億9千万円の支払いと謝罪広告掲載を命じた1審東京地裁判決を変更、賠償額を約1億2千万円に減額した。広告掲載請求は退けた。
園尾裁判長は1審同様、「プリンス側が裁判所の仮処分に従わずに施設使用を拒否したことは不法行為にあたる」と認定。一方、組合員については「施設使用の契約関係になく、不法行為が成立するとはいえない」として請求を退けた。
訴えていたのは、日教組と77の単位組合、1889人の組合員。1審判決後に5組合と11人が訴えを取り下げたが、園尾裁判長はこのうち日教組と50組合への請求を認めた。1審が賠償責任を認めた取締役12人のうち8人への請求は退けた。
判決によると、日教組は平成19年5月、グランドプリンスホテル新高輪と使用申し込み契約を結んだが、プリンス側は同年11月に契約を解除。日教組は会場の使用を求めて仮処分申請し、東京高裁が会場使用を認める決定を出したが、プリンス側は応じなかった。この問題をめぐっては、警視庁が旅館業法違反の疑いで、プリンスホテルの幹部らを書類送検したが、東京地検は不起訴(起訴猶予)処分とし、日教組が検察審査会に審査を申し立て、受理されている。
判決を受けてプリンス側は「周辺住民などに迷惑をかけたくないという当社の苦渋の決断が一定の理解を得た」とコメント。日教組側は「教職員の教育研究活動の重要性を考慮した判決」としている。