<英語>会話授業「OC」 高校の実施率2割足らず

<英語>会話授業「OC」 高校の実施率2割足らず
毎日新聞 2010年12月4日(土)15時0分配信

 2013年度から授業中の会話を英語だけに限定することが決まっている高校の教科「オーラルコミュニケーション(OC)」を、10年度に大筋で実施している高校が19.6%(速報値)にとどまっていることが、文部科学省の調査で分かった。07年度の前回調査20.7%を下回る数値で、文科省は約2年後に迫った「英語限定授業」の実施に向けて危機感を強めている。

 OCは、英語の文法が理解できても会話が苦手とされる日本の学生のコミュニケーション能力を培うために1994年度から高校で導入。09年の改定学習指導要領では、更に英会話能力を高めることを目的に「13年度からOCを必須単位とし、授業はすべて英語で行うこと」と明記された。

 文科省が全国約3600校の公立高校を対象に実施したOCについての調査(国際関係の学科以外)では、07年度の授業を「大半は英語で行った」が20.7%、「半分以上は英語で行った」が33.9%だったが、学習要領改定後の10年度の速報値では19.6%と32.8%となり、いずれも前回調査を下回る見込みとなった。
 また、OCを担当できる英語力として文科省が設定した「英語検定準1級もしくはTOEIC730点以上など」の資格を持っている教員も、07年度の50.6%から10年度は48.9%に落ち込んだ。文科省はOC英語化を視野に08年、都道府県教育委員会に「英語教諭の採用試験では英検などの成績も考慮すること」との通知を出したが、義務化しなかったこともあり、有資格者が増加する兆しは見えていない。

 文科省国際教育課は「13年度からのOC英語化の導入を危惧する声はあるが、学習指導要領は必ず守らなければならない。モデル授業などを通じて英語化と英語教諭の能力向上を進めるよう各教委に要望するしかない」としている。【篠原成行】

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