堀越学園:高崎保専元副校長の解雇理由存在せず 地裁支部、仮処分申請認める /群馬

堀越学園:高崎保専元副校長の解雇理由存在せず 地裁支部、仮処分申請認める /群馬
毎日新聞 2011年2月16日(水)11時39分配信

 学校法人堀越学園(王豊(おうほう)理事長、高崎市)が運営する高崎保育専門学校の元副校長の女性(48)が、正当な理由がなく解雇されたとして、給与の支払い継続などを求めた仮処分申請で、前橋地裁高崎支部(下山洋司裁判官)は14日、申し立てを認める決定を出した。元副校長が15日、記者会見して明らかにした。【増田勝彦】
 同支部が双方の主張を聞く審尋で、学園側は職員、学生、卒業生からの聞き取り調査結果として10項目の解雇理由を主張。しかし、仮処分決定で下山裁判官は「到底解雇理由に当たらないものも含まれているうえ、被聴取者の氏名が明らかでなく、抽象的で信用性は低い。説明するに足る解雇理由が存在していなかった」との判断を示した。
 学園側の示した解雇理由は(1)仕事の途中で子供の弁当を買って自宅に届けたり、食事を作りに戻った(2)自宅で出た粗大ごみを学校に持ち込んだ−−など。
 決定によると、元副校長は88年11月に同学園に採用され、堀越哲二理事長(当時)の秘書を務めた後、89年4月から同校専任教師に。07年4月に校長補佐、08年4月に副校長になった。
 元副校長は10年7月、保護者有志などでつくる「(堀越学園)あしたの会」が開いた会合への参加者名を堀越前理事長に聞かれたが回答せず、自分が教職員組合員として出席したことを告げると、「僕に対峙(たいじ)するとやっていけないよ」と言われた。8月に副校長を解任、9月に解雇を言い渡され、12月に仮処分を申し立てた。
 元副校長は「学園に身に覚えのないことをたくさん言われた。自分のしてきたことを否定された形で大変ショックだったが、裁判所が心強い判断をしてくれた。早く職場に復帰したい」と語った。地位保全を求めた仮処分の申し立ては取り下げており、地位確認を求め提訴する意向を示した。
 堀越学園は「裁判所の決定には従う。解雇の有効性については本訴で争っていく」とコメントした。
 同学園を巡っては他に、運営する創造学園大学を8月末に解雇された元准教授が仮処分を申し立て、地裁高崎支部は昨年11月、解雇は無効との判断を示し給与支払いを命じている。

2月16日朝刊

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