県立高就職支援教員:退職校長が独占 人件費1人年間225万円 /千葉
毎日新聞 2011年3月7日(月)10時47分配信
◇活動ほぼゼロの人も
就職指導に力を入れている県立高校に県教委が配置する「高校就職支援担当教員」が、制度が始まった02年度以降、校長を経験した退職教員ですべて占められ、就職先開拓のための企業訪問をほとんどしていない教員がいることが、毎日新聞の調べで分かった。10年度は18人を配置。1人当たり年間225万円(モデルケース)が支給されている。「退職校長の事実上の天下り」と批判されそうだ。【森有正】
県内の高校生の就職内定率は08年秋のリーマン・ショック以降、下がり続けている。07年度は92・7%だったが09年度は88・4%と4ポイント以上下落し、9割の大台を割り込んだ。10年度は、昨年12月末時点で72・8%にとどまり、就職氷河期は厳しさを増している。
県教委によると、就職支援教員は「ジョブサポートティーチャー」とも呼ばれ、原則として各学校長の指導のもと進路指導に専念する。具体的には、(1)求人企業の開拓や企業・ハローワーク訪問(2)進路指導事務(求人票整理など)(3)生徒への進路相談、面接試験指導(4)企業で短期間仕事を体験するインターンシップの計画立案や事前・巡回・事後指導−−に当たるとしている。
配置人数は制度開始の02年度(2人)から増やされ、10年度は県内の就職支援指定校38校のうち18校に1人ずつ、計18人となっている。人件費は年齢や勤務する学校により異なるが、モデルケースでは年間1人当たり約225万円。
毎日新聞が調べたところ、09年度には14人が配置されたが、30社以上の企業を訪問した教員がいる一方で、数社しか訪問していない教員がいた。また、合同企業面接会への生徒引率や近隣の企業・商工団体との情報交換では、精力的にこなす教員がいる半面、ほとんど何もしていない教員がいることも分かった。
他県では類似の制度を導入し、教員免許を取得しながら民間企業で働いた経験を持つ人材を広く公募で集めているところもある。
2月の県教委の会議では、一部の委員が「会社の人事や職安のカウンセリングなどの経験を持つ人を広く募集できる態勢が必要だ。採用の窓口をオープンにしてほしい」と、就職支援教員公募の必要性や不透明な任用への疑問を提起した。ある県立高教諭は「元校長よりも、熱心に進路指導に取り組んできた元教諭や民間企業の採用経験者のほうが、生徒の就職内定につながるのでは」と話す。
10年度に就職支援教員が配置された県立校18校は以下の通り。生浜▽八千代西▽船橋古和釜▽船橋法典▽布佐▽白井▽印旛明誠▽下総▽佐倉西▽八街▽小見川▽銚子商業▽松尾▽東金商業▽大網▽茂原樟陽▽勝浦若潮▽安房拓心。
3月7日朝刊