堀越学園:配置転換訴訟 「通勤に往復5時間」 本人尋問で詳細証言 /群馬

堀越学園:配置転換訴訟 「通勤に往復5時間」 本人尋問で詳細証言 /群馬
毎日新聞 2011年10月7日(金)11時21分配信

 ◇被告側は「命令権の範囲」−−地裁高崎支部
 学校法人堀越学園(高崎市、王豊理事長)が運営する創造学園大の男性職員(56)が、同学園が経営する川場村の宿泊施設に配置転換されたのは、別会社への転籍を拒否したことに対する見せしめだとして配転の無効確認を求めた訴訟で、職員への本人尋問が6日、前橋地裁高崎支部(松丸伸一郎裁判長)であった。職員は転籍承諾書へのサインを断った3時間後に配置転換を命じられたことや、長時間通勤による過労で体調を崩したことなどを証言した。
 職員によると、10年4月に転籍承諾書への署名を断った3時間後、同大の事務長から川場村の「萱の家」に配置転換が伝えられた。その際、堀越哲二理事長(当時)の命令との説明を受けたという。
 職員宅は高崎市内にあり、新職場までは片道50キロ以上あるが、高速道路料金の請求は認められず通勤に往復5時間かかるようになった。距離に応じて支給される通勤手当の増額もなく、ガソリン代節約のために軽自動車に替えたという。
 職員は10年11月の提訴後も勤務を続けたが、今年4月下旬に自宅で倒れ、診察を受けた医師に「過労が原因。長時間通勤を続けていたら治らない」と言われた。診断書を添えて仕事を休んでいるが、5月から給与が支払われず、病気休職時に支給される私学共済の「傷病手当金」の手続きも行われていないという。
 さらに、職員は「配置転換後は急に休日出勤や残業を命じられることもあり、配転は嫌がらせと感じた」と述べた。
 学園側は「学園の施設への転勤は命令権の範囲内で合理性を欠くものではない」などと主張している。この日の反対尋問で「転籍により待遇面では変わらないと説明されたのではないか」などと質問し、職員は「転籍後2カ月は給料が変わらないと説明された」などと答えた。
 訴訟はこの日結審し、判決は11月25日に言い渡される。【増田勝彦】

10月7日朝刊

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