やまぬ教員のわいせつ不祥事 研修、指導に厳戒 解決策模索

やまぬ教員のわいせつ不祥事 研修、指導に厳戒 解決策模索
産経新聞 2011年10月10日(月)0時55分配信

 教員によるわいせつ不祥事がなくならない。9月末にも横浜市の男性教諭が、教え子に対する児童福祉法違反容疑で逮捕された。今年の同市教員のわいせつによる懲戒処分は3件、県教育委員会によるものでは5件に上る。“聖職”であるはずの教員のわいせつ不祥事は繰り返され、抜本的な解決策は見当たらないのが現状だ。県や市の教育委員会は頭を悩ませ続けている。(黒田悠希)

 ■キス、性行為…

 は自校の女子生徒にキスし、性行為を計3回行ったとして、児童福祉法違反容疑で逮捕され、9月22日に懲戒免職処分となった。

 のケースは、セクハラ行為が発覚。授業中や休み時間に計8回、担任を務めていた市立小学校の低学年クラスの女子児童6人のほおにキスしたり、抱きつくなどし、8月25日に懲戒免職に。

 このほか、9月末にも横浜市の男性教諭が、児童福祉法違反容疑で県警に逮捕された。県警は「被害者は教え子なので、プライバシーにかかわる」として、事件を発表しておらず、まだ処分も出されていない。県警によると、容疑を認めているという。

 ■対策に決め手なく

 教員に対する県教委の懲戒処分は20年度は19件、21年度21件、22年度12件。今年度は9月末現在で、10件の処分が出された。そのうち、わいせつ行為による懲戒処分は、20年度に3件、21年度6件、22年度に5件となっており、今年度は9月末現在で5件と、すでに昨年度に並んだ。

 平成13年度のわいせつによる懲戒処分は4件だったといい、ここ10年の同様事案の平均は4・7件。特に増加しているとはいえないものの、本来はあってはならないこと。ある市教委の担当者は「ここ10年の事案は、ネットの出会い系サイトなどに気軽にアクセスできるようになったことと無関係ではないだろう」とため息をつく。

 不祥事の撲滅を目指し、県教委は18年度から「不祥事ゼロ運動」を展開している。小中高、特別支援学校の校長らに対し、不祥事防止を目的としたパンフレットを作成・配布し、教員に対する研修の実施を要請。他の市教委も、同様の取り組みを行ってきた。今年9月には、県立学校長と市町村教育長あてに教職員の綱紀保持の徹底を通知した。

 しかし、研修が行われてはいても、不祥事は起こり続ける。人事担当者は「そもそも、問題を起こしそうな人の採用を防ぐことができれば一番。だが、採用面接などで個人の性癖まで見破るのは難しい」と悩む。

 ■情報把握の仕組みを

 文部科学省では各自治体教委に指導強化を要請しているが、横浜市教委によると、「具体的な取り組みは自治体に一任されている」のが実情という。市教委の担当者は「通り一遍の対策や指導では、もう限界。これからは、もっと意識を高めていくような研修を模索しなければならない」と強調する。

 組織のコンプライアンス(法令順守)に詳しい弁護士で名城大学コンプライアンス研究センター長の郷原信郎教授は、現行の研修などによる行政の対策について、「あまり意味があるとは思えない」と厳しい目を向ける。

 郷原教授は“不祥事の芽”をできるだけ早く摘むため「職場(学校)では、わいせつ行為やそれに準ずる行為の情報が、正確かつ迅速に把握できるようなシステム作りが必要だ」と指摘。さらに、「起こった不祥事をそのままにせず、兆候がなかったか、過去に問題行動などがなかったのか、よく検証することが大切だ」と話している。

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