卒業試験の不正採点訴訟、元学生との和解成立
読売新聞 2011年10月21日(金)20時50分配信
鹿児島大歯学部の卒業試験の不正採点で学生8人が留年した問題を巡り、元学生の男性歯科医師(32)(富山市)が同大などに計2520万円の損害賠償を求めた訴訟は、大学側が解決金800万円を支払い謝罪することで、鹿児島地裁(和波宏典裁判官)で和解が成立した。
和解は14日付。元学生は、採点を担当した元教授の男性と歯学部長への訴えを取り下げた。
訴状によると、元学生は2008年度の卒業試験で、合格点だったにもかかわらず不合格とされ、09年2月の国家試験を受験できず、少なくとも1年間、歯科医師になるのが遅れたとしている。
同大によると、国家試験の受験者を絞って合格率を上げるため、04年度に卒業試験を導入。元教授は意図的に採点基準を厳しくし、05年度に3人、08年度に5人を不合格としており、別の元学生も同様の訴えを起こしている。