小田原市通知表ミス:信頼回復へ「相談日」調査委、報告書素案議論し終了/小田原市
カナロコ 12月23日(金)12時0分配信
小田原市立小中学校で通知表の記入ミスが大量に発生した問題で、同市の第3回「通知表事故調査委員会」が22日、開かれた。再発防止の柱となるチェックシートや報告書の素案などを議論し、今回で終了した。素案では、評価・評定に対する信頼を回復するため、保護者らを対象とした「通知表相談日」を定めることを盛り込んだ。
冒頭、委員長の野中陽一・横浜国大准教授が「横浜市でも同様のミスが判明した。先例となった小田原市が再発防止にどう結論を出すのか、注目を集めている」とあいさつした。
前回、修正を求められたチェックシートについて議論を開始。各校でバラバラだった通知表の作成工程における用語を定義した上で「完成版を複数で再確認」することなどを盛り込んだ。
報告書の素案では、事故原因を(1)パソコンの入力ミスは教職員の不注意(2)チェック体制が機能しなかったのは危機管理意識の欠如(3)ソフトの機能の理解が不十分―と結論付けた。この中でチェックシートを提案。各工程で担任、学年主任、管理職が「確認済み」を記入する仕組みになる。
今後の課題として、影響の大きい評価・評定のミス防止を指摘。現場の多忙化を受けて確認の時間を確保するため、年間スケジュールの見直しを求めた。授業の短縮や部活動の一時中止も必要としている。
信頼回復の手だてとして、児童・生徒や保護者が聞きにくい評価や評定について説明するため、「通知表相談日」を設ける。
委員会は今回で終了。同市は今回素案に対して出された意見などを修正して報告書を完成させる。
◇意見集約ほど遠く
■解説■
学校現場を視察することなく、初会合から1カ月で委員会を終えたのは驚きだ。3回に及んだ議論は活発だったが、意見集約にはほど遠かった。背景になった確認作業のずさんさを再現した印象を拭えない。
委員会は学校関係者で構成され、第三者は委員長だけ。危機管理や事故解析の専門家ではない。通知表ミスは前例がなく、手探りで進むのは仕方がない。だからこそ市民の意見も聞き、慎重に行う必要があったはずだ。
例えば、チェックシートにしても原簿と一覧表で認識が違った。確認時間の確保を今後の課題にするか、再発防止策に入れるか、意見が分かれたが、結論を事務局に一任して、委員会を終えた。「信頼回復」を掲げながら、誤字だらけの素案を提示。修正したものを確認する時間も取れないのか、無責任極まりない。