酒気帯び運転:元教員免職取り消し判決 「一日も早く教壇に」 /秋田

酒気帯び運転:元教員免職取り消し判決 「一日も早く教壇に」 /秋田
毎日新聞 3月24日(土)13時2分配信

 飲酒運転を理由に、秋田市の元小学校教頭の40代男性と、男鹿市の元高校教諭の50代男性を懲戒免職処分とした県教委に対し、処分取り消しを命じた23日の秋田地裁判決。鈴木陽一裁判長はいずれも「免職処分は裁量権を逸脱し違法」と指摘した。県と県教委が飲酒運転した職員の処分を厳格化して以降、県内では初の処分取り消し判決となった。
 判決後の記者会見で、50代男性は代理人弁護士の虻川高範弁護士を通じ、「定年まで間がないので一日も早く教壇に立ちたい。県教委は控訴してほしくない」と訴えた。虻川弁護士は「『原則』免職では処分基準そのものが重すぎるため、見直す必要がある」と話した。
 県教委総務課は「判決の詳細について十分に承知していないので、判決内容を検討した上で控訴するかどうかを決定したい」とコメントした。
 県と県教委は03年5月、職員が飲酒運転した場合は原則として免職処分と規則を厳格化した。遺族らの訴えが世論を動かし、全国的に厳罰化が進んだことが背景にある。一方で「一律免職は厳しすぎる」と処分取り消しを求める訴訟が各地で相次ぎ、兵庫県加西市職員は最高裁で処分取り消しが確定。自治体による基準見直しの動きも出ている。【加藤沙波】

3月24日朝刊

—–

酒気帯び運転:免職取り消し判決 元教諭側、県教委に控訴断念申し入れ /秋田
毎日新聞 2012年3月28日(水)12時47分配信

 飲酒運転を理由に、男鹿市の元高校教諭の50代男性を懲戒免職とした県教委の処分を取り消した秋田地裁判決について、男性側の虻川高範弁護士は27日、県教委に対し、控訴しないよう求める申し入れ書を提出した。
 申し入れ書では「男性は収入も退職金もなく、苦しい生活を送っている。控訴することはこの苦しみをさらに男性に負わせ続けることを意味する」などと訴えている。
 県教委総務課は控訴について「現在も検討中」としている。【田原翔一】

3月28日朝刊

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする