全国学力テスト:県教組研究機関、廃止求め提言書 「学ぶ権利侵害」 /石川
毎日新聞 2012年4月12日(木)16時5分配信
県教組の研究機関「いしかわ教育文化総合研究所」が11日、国の「全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)」と、県独自の学力テストの「県基礎学力調査」について、廃止するよう求めた提言書を県教委に提出した。同研究所は「テスト優先で学校行事が組まれ、子供の学ぶ権利を侵害している」などとしている。
文科省による全国学力テストは今年度、公立校のうち抽出校と実施希望校の小学6年生と中学3年生を対象に、国語、算数・数学、理科で行う。県教委は17日に県内の全公立小中学校で一斉に実施する方針。一方、県独自の学力テストは16日、小学校4年生の国語、算数や、全国学力テストにない教科(小6は社会、中3は社会と英語)について行う。
同研究所は、「学力テストで高得点を挙げようとして、授業で生徒に過去に出題された問題を事前に解かせるなどしている」と、県内の学校での現状を指摘。「日程でテストを優先し、遠足や運動会といった行事をないがしろにして、学校教育と言えるのか」と反発した。また、学力テストに合わせて生活習慣や学習環境の調査が合わせて実施されることについて、「家庭の思想や良心にまで立ち入っている」と批判した。【横田美晴】
4月12日朝刊