民間保育園で大量退職 元保育士「パワハラ受けた」 奈良

民間保育園で大量退職 元保育士「パワハラ受けた」 奈良
産経新聞 2012年4月19日(木)7時55分配信

 ■園側否定、奈良市が調査

 奈良市内の民間保育園で保育士9人が大量退職し、保護者から不安を訴える相談が市に寄せられていることが18日、市への取材で分かった。退職した元保育士は「パワーハラスメント(パワハラ)を受けた」などと訴える一方、同園は「そのような事実はない」と否定。両者の主張が食い違う中、保育の民間委託を進める市は事態を重くみて、調査に乗り出した。

 同園が市に提出している報告書によると、3月1日時点で保育士24人が同園に在籍していた。このうち9人が3月中に相次いで依願退職した。

 市によると、保育士の大量退職について、保護者から「保育士との信頼関係が築けない」「市が何とかしてほしい」などの相談の電話が市に寄せられたという。

 市は財政難の中、民間資本を活用するため、民間保育園の誘致に向けた土地購入や新築費の助成などに乗り出している。

 こうした矢先に発生した民間保育園の大量退職問題。市が園側に事実関係を確認したところ、園側は「職員間で保育について意見の食い違いがあった」と説明したという。

 市は園側に保護者からの相談内容を伝え、保護者の不安解消などの改善を指導した。

 一方、同園の元保育士の女性は産経新聞の取材に対し、退職した理由について「複数の職員が管理職から『腹立つ』と怒鳴られたり、業務を再三やり直させられたりした」とし、大量退職の背景にパワハラがあったと証言する。

 園側は取材に対し、「退職者が増え、保護者に不安を与えたのは申し訳ない」としながらも、「職場の人間関係を理由に退職した職員はいたが、パワハラの事実は一切ない」と否定している。

 市が民間保育園に立ち入って保育内容などを監査するのは年1回程度。保育士の数や施設の安全性などが児童福祉法の基準を満たさない場合は行政指導の対象となる。

 一方で、今回のように運営をめぐる園内部の意見対立の問題などについては、市も調査に限界があることは認めており、市の担当者は「民間の経営には直接、関与することはできない」と困惑している。

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