<震災補助金不正>復旧費水増しで幼稚園園長ら逮捕 全国初
毎日新聞 2012年6月23日(土)18時29分配信
東日本大震災で被災した私立幼稚園の復旧費を水増しし国の補助金を受け取ったとして、宮城県警暴力団対策課などは23日、同県多賀城市の私立せいがん幼稚園の園長、鈴木雄士(50)=同県利府町青葉台3=と、理事、松竹義照(56)=仙台市青葉区一番町1=の両容疑者を、補助金適正化法違反容疑で逮捕した。震災補助金を巡る同法違反事件の摘発は全国初とみられる。
逮捕容疑は、2人は共謀して昨年7月、文部科学省の私立学校災害復旧のための補助金を申請する際、被災の程度に比べて相場の倍以上に水増しした工事費約1300万円を請求。今年1月末と4月下旬の2回、計658万5000円の交付を受けた、としている。鈴木容疑者は容疑を認めているが、松竹容疑者は「復旧工事は実際に行われた」などと否認しているという。
同補助金は、被災した私立学校に対し、復旧工事費の半額を国が補助する制度。同幼稚園は津波被害はなかったが、揺れで園舎の壁に亀裂が入るなどした。しかし、県警によると実際に必要な復旧費用は約600万円以下だという。
県私学文書課に出した申請書には、仙台市内の建設会社が作成した見積書が添付されていた。また、同幼稚園は県にも補助金を申請していた。県警は、建設会社の関与や両容疑者の余罪を調べる。【竹田直人】