情報漏れ3人書類送検 亀岡登校事故で京都府警

情報漏れ3人書類送検 亀岡登校事故で京都府警
京都新聞 2012年6月29日(金)22時59分配信

 京都府亀岡市で10人が死傷した集団登校事故をめぐり、被害者の個人情報が加害者側に漏れた不祥事で、京都府警は29日、地方公務員法(守秘義務)違反容疑で亀岡署交通課の男性警部補(51)と男性巡査長(53)、児童の通っていた安詳小の教頭(51)を書類送検した。
 府警監察官室は同日、警部補を所属長訓戒、巡査長を本部長注意の処分にした。また監督責任を問い、署長(57)を本部長注意、交通課長(54)を所属長注意にした。
 警部補の書類送検容疑は、無職少年(18)=自動車運転過失致死傷罪などで起訴=の父親(47)から「被害者の連絡先を教えてほしい」と懇願され、4月24日午前0時半ごろ、巡査長に指示して被害者10人全員の名前、住所、電話番号などを印字したメモを作り、父親に渡した疑い。教頭の書類送検容疑は同日夕、事故で亡くなった松村幸姫さん(26)の携帯番号を父親の親族に教えた疑い。
 府警によると、警部補と巡査長は「懇願されて安易に教えてしまった。配慮が足りなかった」と話している。
 西村元希首席監察官は「職員に被害者の個人情報の取り扱いを徹底し、再発防止に努める」とコメントした。
■教頭を戒告に 府教委
 京都府教育委員会は29日、安詳小(亀岡市)の男性教頭を戒告の懲戒処分にした。
 府教委によると、個人情報の漏えいによる懲戒処分例はないが、管理職であるうえ、社会的影響が大きいことを重くみた。教頭は「かつての教え子の親に頼まれ、教えてしまった。責任を感じている」と話しているという。
 西村文則教職員課長は「教員への信頼を損ねた。再発防止に向けてしっかり取り組みたい」と話した。7月1日付で教頭を交代する。
 亀岡市教委は同日、教頭の監督を怠ったとして、同小の校長(56)を文書訓告にした。

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