<大津・中2自殺>市教委 調査を3週間で打ち切る
毎日新聞 7月8日(日)1時25分配信
大津市で昨年10月、市立中学2年の男子生徒(当時13歳)が自殺した問題で、複数の在校生がいじめと自殺との関連性を指摘しながら、市教委が調査を約3週間で打ち切っていた。在校生の情報からは、生徒の自殺前に学校側がいじめに気づく“シグナル”を見逃していた可能性も判明。真相究明や公表を巡る市教委の消極的対応が厳しい批判を浴びており、いじめ情報に慎重に向き合う姿勢が改めて問われている。【千葉紀和、加藤明子、村山豪】
【大津の中2自殺】生前に自殺練習強要
いじめは一見「仲良しグループ」とみられる中で起きた。自殺した生徒と加害者とされる同級生らが、互いの家に泊まるなど急速に関係を深めたのは昨年7月ごろ。2学期が始まった9月以降、周囲は彼らの「変化」に気づいた。トイレでの暴行が目撃され、自殺した生徒は買ったばかりの眼鏡を「なくした」り、腹痛を訴えて学校を休んだりするようになった。
昨秋の体育祭では鉢巻きで手足を縛られ、蜂を食べさせられそうになる姿が多くの生徒や教諭に確認されている。見ていた生徒は「可哀そう」と漏らし、「そんなことして楽しいんかよ。人の気持ちを知れ」と注意もしたという。約2週間後、男子生徒は自殺した。
在校生アンケートには、自殺した生徒らが担任などに問題を訴えながら、教諭が「見て見ぬふりをしていた」とする複数の指摘がある。また学校側は昨年9月、自殺した生徒の家族から「息子の金遣いが荒い」と相談を2度受けていた。生徒は昨夏ごろ、口座から預金を数万円単位で引き出し始め、9月末までに12万円以上を下ろしていたという。
アンケートでは、全体の6割弱にあたる無記名回答を学校側が追跡調査で活用しなかったことも発覚。特に「自殺の練習をさせられていた」「『もう死ぬ』とメールして(加害者が)『死ねばいいや』と送り返していた」など、いじめと自殺の関連を示唆する回答も、伝聞を理由に加害者とされる同級生らに確認せず、昨年11月には調査を打ち切っていた。
さまざまな形で出ていたとみられるSOSのサイン。だが市教委も学校も「いじめは認識できていなかった」と繰り返し、自殺前にいじめ情報が生かされることはなかった。
◇「犯罪認定困難」警察の対応も壁
いじめ行為に対する警察の対応も問われた。自殺した生徒の父親は昨年10〜12月、滋賀県警大津署に被害届の提出を計3回試み、いずれも受理されなかった。福永正行副署長は取材で「遺書もなく、犯罪事実の認定に困難な部分があった」と理由を説明。伝聞を含むアンケート回答だけでは暴行などを立証するには証拠不十分と判断したとみられる。
一方、損害賠償請求訴訟の遺族側代理人は「被害届は厳密に書かないといけないものではない。不明な点を捜査してほしいから被害届を出そうとしたのに、今回の件は『立件できる見込みがないから捜査できない』というようなもので本末転倒」と疑問視している。
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大津中2自殺 夏休み境に暴行激化 対応遅れに影響か
京都新聞 7月8日(日)10時49分配信
大津市で昨年10月、中学2年の男子生徒=当時(13)=が飛び降り自殺した問題で、亡くなった生徒といじめていたとされる同級生数人は元は遊び仲間で、夏休みを境に暴行が激化していたことが7日、関係者への取材で分かった。思春期の不安定な友人関係からいじめが急激にエスカレートし、学校現場の対応の遅れに影響した可能性もある。
関係者によると、男子生徒と同級生数人は昨年夏ごろまで、自宅に泊まりに行ったり、テーマパークに遊びに行くなどしていた。
しかし、学校が行った生徒へのアンケートによると、2学期に入ってから校内のトイレや廊下で、男子生徒が頻繁に暴行を受けている姿が目撃されるようになったという。
また、アンケートには「かつあげ(恐喝)されていた」「銀行の口座から金を奪われていた」など、金品の要求があったと証言する回答が13人に上った。
関係者によると、男子生徒は貯金を昨年夏から数万円単位で下ろすようになり、9月末までに約12万円を引き出していたことが分かっている。
市教委は、金品の要求の有無について、同級生本人に聞き取りを行ったが事実は確認できなかった、としている。
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ネット上にいじめ「加害者」の名 フジテレビ「黒塗り」が透けて見えた
J-CASTニュース 7月8日(日)17時22分配信
滋賀県大津市の市立中学校で2011年10月、男子生徒が自殺した問題を取り上げたフジテレビの情報番組で、放送した資料の中に生徒の氏名など特定個所を黒塗りしてふせた部分の一部が薄かったため、見方によっては判別可能な状態になっていた。
インターネット上では、放映された部分の静止画を加工してさらに黒塗り個所を見えやすくした画像が流出。「加害者生徒」として氏名や住所、親の勤務先まで暴露するサイトも登場するなど、エスカレートしている。
■映像を静止させて目をこらすと氏名が判別可能
2012年7月6日に放送されたフジテレビの情報番組「とくダネ!」では、自殺した生徒の両親が、いじめを行ったとされる同級生らに対する損害賠償を求める訴訟資料の一部を紹介した。番組では「全校生徒に実施したアンケートを基に作成された資料」として、生徒たちが「いじめの内容」を克明に証言したものとされた。
内容は「昼休みトイレでぼこぼこにされた」「毎日のようにトイレにつれこんでなぐられていた」と、せい惨ないじめの様子がうかがえる。文中には、被害者と加害者の名前をはじめ、特定されると支障が出るとみられる部分は黒く塗りつぶされていたのだが、一部は塗りが薄かったりムラが出ていたりした。放送中に画面上に映るのは数秒程度なので、番組の視聴中は気づかないかもしれないが、録画した映像で資料が映された部分を静止させて目をこらすと、文脈からいじめの加害者とみられる名字や名前が判別できた。
さらにネット上には、資料を映した映像とみられるものの静止画を加工して黒塗り部分がさらに薄くなった画像まで登場した。出所は不明だが、より名字や名前があらわになっている。番組を放送したフジテレビは毎日新聞などの取材に、大型テレビで静止画にしたら透けて見えたと認めたうえで「今後は全社的に気をつけるようにしたい」とコメント。加工画像がネット上に流出した点は、フジテレビの画像が加工されたと分かれば「サーバーへの削除要請を検討したい」と話している。
■「本人」の写真や交流サイトの発言まで
今も「いじめの加害者」を特定しようとの動きが、ネット上で過熱気味だ。「2ちゃんねる」を中心に、「当事者」として数人の生徒の氏名を掲載。が作成され、本人の写真に加えて父親まで写真が載せられているケースもある。生徒のひとりが交流サイト上で発言したとみられる内容の画像も発見された。住所や電話番号が突き止められ、現在「調査中」となっている個所もある。
ネットでは「こいつら許せん」と怒りの声が高まり、「加害者」を特定する動きを後押しする人も少なくない。一方で「まだはっきりしたことが分からないのに」「関係者以外の人の名前が、悪意のある第三者によってネットに流されていたら」と心配する向きもある。