大津いじめ加害少年の1人 転校後不登校状態で家で歌の練習
NEWS ポストセブン 2012年8月1日(水)7時6分配信
大津のいじめ自殺事件では、加害少年3人に対して、暴行、傷害など6つの罪で大津署が取り調べを進める。だが、報道によって警察が動かなければ、彼らは“野放し”にされていたはずだ。
3人のうち、リーダー格なのは、高台の高級住宅地に住むA。母親は過去にPTA会長を務めたこともある。そんなAは騒動を避けるように、昨年11月ごろに京都市内の中学校に転校。Aの転校先と同じ学校に通う生徒が明かす。
「大津の自殺のことは、Aが転校してきたときから相当うわさになった。それでもAは涼しい顔しとるから、“酷い奴や”と、みんな自然と口きかんようになったわ」
そして、Aと同じ住宅地に住み、加害少年の1人Bは転校せず、大津市内の中学校に在校している。男子生徒が自殺した後は遅刻や早退を繰り返すようになり、現在は不登校状態。自宅では音楽を大音量で流しながら歌の練習をしているという。
もう1人の加害少年Cは、両親が離婚、養育者の母は再婚とやや入りくんだ事情を抱えている。そんなCはこの4月に、京都府宇治市内の中学校に転校。その後は、髪の毛を茶色に染めるなど生活態度が荒んでいき、6月中旬には転校先の男子生徒1人を集団で暴行する事件を起こしたといわれる。
まるで反省の色も見えない加害少年たちの行状は、すでに一部報道によって知るところとなっている。
いじめに加わった生徒や、いじめを見過ごしてきた教師がその報いを受けない──この現実は多くの国民の憤りを生み、「いじめを犯罪と考えて厳正に対処せよ」という厳罰化を望む声につながっている。
※女性セブン2012年8月9日号
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滋賀知事が大津市長に助言 調査委メンバーも紹介 大津いじめ
産経新聞 2012年8月1日(水)11時28分配信
大津市で昨年10月、市立中学2年の男子生徒=当時(13)=が自殺した問題で、滋賀県の嘉田由紀子知事は31日の定例会見で、同市の越直美市長と頻繁に連絡を取り合っているとし、男子のいじめの実態を調べるために市が近く設置する外部調査委員会の委員についても数人を紹介したことを明らかにした。教育委員会制度についても問題意識を共有しているとし、連携して取り組む姿勢をみせた。
嘉田知事は会見で、今回のいじめ問題について、越市長から電話などで相談を持ちかけられたことがあり、アドバイスするケースも多いと説明。そのうえで「戦後続いている教育委員会制度の改革について、県は何ができるのか、市として何ができるのかという問題意識を共有するようにしている」と強調した。
また、市の外部調査委員会の委員について、児童福祉分野の専門家数人を紹介したと明かし、「最終的に委員を決めるのは越市長だが、県は児童福祉分野に蓄積があるので助言させていただいた」と述べた。
一方、嘉田知事は、来年度当初予算で、いじめ対策の施策に重点配分する考えも示し、「子供たちの問題は、学校内だけでは解決できなくなっている。児童福祉の分野のほか、医療分野、警察の分野などで、県が責任を持って次の手を打つ」と意欲を示した。
嘉田知事は、他県の例として、大学教授や弁護士ら数人を指名し子供の人権侵害にあたる兵庫県川西市の「子どもの人権オンブズパーソン条例」を参考に、施策検討していく考えを示した。
また、嘉田知事を本部長、河原恵・県教育長を副本部長として近く設置するいじめ対策本部について「8月中には立ち上げ、年度内に恒久的ないじめ対策をまとめたい」と述べた。
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大津・中2自殺:県が「いじめ連絡会議」 情報共有や連携を確認 /新潟
毎日新聞 2012年8月1日(水)13時1分配信
大津市で市立中学2年生の男子生徒が自殺した問題を受け、県は「いじめ問題等に係る庁内連絡会議」を設置し、31日に県庁で第1回会議を開いた。県教委や県警など関係部局から15人が出席し、県内のいじめ問題の現状や各部局での取り組み状況などが報告され、情報を共有し連携を図ることを確認した。
冒頭、高井盛雄教育長が「連携をより強化し、情報共有を進めることでいじめに悩む児童や生徒、その保護者を一人でも多く、一日でも早く救えるようにしたい」とあいさつした。会議では、出席者から「今のいじめはメールやインターネットなどを通して外から見えにくい。学校の中だけでは把握が難しい」として地域との連携強化を求める声があった。
県内では、06年に神林村(現村上市)の村立中学校(当時)で中学2年の男子生徒(当時14歳)が自殺した。県では相談窓口の運営や学校へのカウンセラー派遣などいじめ撲滅に向けた取り組みをしている。県教委によると、10年度の県内の国公私立の小中高校、特別支援学校のいじめ認知件数は1157件に上る。【川畑さおり】
8月1日朝刊
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大津・中2自殺:「いじめ」重点施策に 知事「来年度予算に反映も」 /滋賀
毎日新聞 2012年8月1日(水)15時42分配信
いじめを受けていた大津市の中学2年の男子生徒が自殺した問題を受け、嘉田由紀子知事は31日の定例記者会見で「今回のいじめ事件を受け、命を守るということを大きな柱に据えたい。必要とあれば、来年度予算に反映していく」と述べ、いじめ対策を来年度の重点施策に盛り込む考えを示した。
今回のいじめ問題を巡り、県は嘉田知事を本部長とする対策本部を今月中に設置し、年度内に恒久対策をまとめる方針。行動計画には県教委が06年に作成(今年1月に改訂)した「ストップいじめアクションプラン」があるが、嘉田知事は「今回、必ずしも活用されなかった」との認識を示している。
嘉田知事は対策事例として、学識者や弁護士らが問題解決に動く兵庫県川西市の「子どもの人権オンブズパーソン」を挙げ、「法的権限まで含め、子どもたちのSOSを聞いて解決まで持っていける大人の輪、専門家の輪を作る仕組みが一つのモデルになる」と施策の構想を語った。
また嘉田知事は会見で、今回の問題を検証するため大津市が設置する外部調査委員会の人選などで、同市の越直美市長に直接助言したことも明かした。【姜弘修】
8月1日朝刊
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遺族要望の尾木氏ら外部調査委員に…大津いじめ
読売新聞 2012年8月1日(水)21時23分配信
大津市で昨年10月、いじめを受けた市立中学2年の男子生徒(当時13歳)が自殺した問題で、市は1日、設置準備を進めている外部調査委員会の委員について、遺族側が要望していた教育評論家の尾木直樹・法政大教授ら3人を選任することを決め、遺族側に通知した。
尾木氏は読売新聞の取材に「いじめが自殺にどれだけ影響を与えたか、調査で明らかにできると思う。真実を知るために、市や学校には、教諭や生徒、保護者らが調査に協力してくれる土壌作りをお願いしたい」と話した。
他の2人は、明石歩道橋事故の遺族を支援した渡部吉泰弁護士と、いじめ問題に詳しい松浦善満・和歌山大教授。市は、この3人を含む計6人で今月中にも委員会を発足させ、年内にも調査を終えたいとしている。
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<大津いじめ自殺>尾木氏ら調査委に起用へ 遺族の推薦受け
毎日新聞 2012年8月1日(水)22時13分配信
大津市で市立中学2年の男子生徒が自殺した問題で、市は1日、近く設置する外部調査委員会の委員に、教育評論家の尾木直樹法政大教授(臨床教育学)ら生徒の遺族が推薦していた有識者3氏を起用する方針を固めた。いじめの実態を探る調査委に遺族側が要望した委員が起用されるのは全国初という。
遺族側は先月の越直美市長との面会で「調査の公平性を担保するため、遺族と市が推薦する委員を同数に」と要望していた。市も日弁連などから推薦を受けた3委員を起用する方針で、調査委は計6人で発足する見通し。
市が起用方針を固めたのは他に、いじめ問題に詳しい和歌山大の松浦善満教授(臨床教育社会学)と渡部吉泰弁護士(兵庫県弁護士会)。越市長は「文部科学省の助言も得て、市として専門性や中立性の要件に当てはまると判断した」と説明した。
市は委員就任の条件として、公平な調査をする承諾書を提出してもらうという。尾木氏は毎日新聞の取材に「まだ依頼が来ていないが、公平とはだれに対するものなのか。被害者の立場に立っていない。大津市の問題はあり得ないことが多すぎる。依頼があれば徹底的に事実を解明したい」と語った。
生徒の父親(47)は「3氏の起用は公平な調査のために必要。調査委の発足が遅れており、早く真相を解明してほしい」と話した。【千葉紀和】
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尾木氏ら遺族推薦3人起用へ 大津中2自殺で第三者委
京都新聞 2012年8月1日(水)22時59分配信
大津市で昨年10月、中学2年の男子生徒=当時(13)=が自殺した問題で、市は1日、再調査のために近く設置する第三者委員会の委員に、遺族側が推薦する3人を起用する意向を明らかにした。市が各種団体に推薦を求めている委員を含め計6人での調査を想定している。
市によると、委員に守秘義務の順守などを約束する承諾書の提出を求める。名前は事前に公表し、会議は月2回、計8回で年内の終了を予定。家庭内や個人の背景調査は行わず、学校であった事実の解明といじめが自殺に与えた影響を明らかにする。市の過失責任を法的に判断するのは難しいとした。
遺族側は、教育評論家で法政大の尾木直樹教授(臨床教育学)と、和歌山大の松浦善満教授(臨床教育社会学)、兵庫県弁護士会の渡部吉泰弁護士を推薦している。
越直美市長は「専門性をもって、中立な観点から解明に当たっていただけると判断した」と述べた。